り災証明書の被害の程度は、水害では浸水の高さでほぼ決まります。千葉県の住家被害は8月20日の集計で半壊が14棟から78棟へ増えました。認定調査が進んで、「浸水」として数えられていた家が「半壊」に振り替わっているためです。どの高さでどの区分になるのか、早く出る「自己判定方式」を選ぶと何が起きるのかを、内閣府の運用指針と千葉市の案内から整理しました。
浸水の高さで区分が決まる
内閣府の「災害に係る住家の被害認定基準運用指針」では、木造・プレハブの戸建て(1〜2階建て)の第1次調査で、外観の損傷と浸水深から判定します。同じ浸水の高さでも、水流やがれきで外壁と建具(サッシ・ガラス・ドア)が壊れているかどうかで区分が変わります。
外壁や建具が壊れていない場合(水につかっただけの場合)
| 浸水の高さ | 損害割合 | 被害の程度 |
|---|---|---|
| 床上1.8m以上 | 40%以上50%未満 | 大規模半壊 |
| 床上1m以上1.8m未満 | 30%以上40%未満 | 中規模半壊 |
| 床上0.1m以上1m未満 | 20%以上30%未満 | 半壊 |
| 床上0.1m未満 | 10%以上20%未満 | 準半壊 |
| 床下浸水 | 10%未満 | 準半壊に至らない(一部損壊) |
水流やがれきの衝突で外壁と建具が壊れている場合
| 浸水の高さ | 損害割合 | 被害の程度 |
|---|---|---|
| 住家の流失、または床上1.8m以上 | 50%以上 | 全壊 |
| 床上1m以上1.8m未満 | 40%以上50%未満 | 大規模半壊 |
| 床上0.5m以上1m未満 | 30%以上40%未満 | 中規模半壊 |
| 床上0.5m未満 | 20%以上30%未満 | 半壊 |
| 床下浸水 | 10%未満 | 準半壊に至らない(一部損壊) |
ここでいう「外壁と建具が壊れている」は、外から見て分かる外壁とサッシ・ガラス・ドアの損傷程度が50%から100%にあたる場合を指します。水につかったことによる損傷は含みません。
床上10センチでも半壊に届くのに対し、床下でとどまれば一部損壊です。床の高さを水が超えたかどうかが最初の分かれ目で、次に高さの段階で区分が変わります。壁やサッシが割れている家は、同じ高さでも1段階重く判定されることがあります。
「早く出る方法」を選ぶと一部損壊で確定する
千葉市には判定の方法が3通りあります。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 自己判定方式(写真による判定) | 被害が明らかに軽く、申請者が「準半壊に至らない(一部損壊)」に同意できる場合。現地調査をしないため順番待ちがなく、短期間で交付される。被害写真の提出が必須 |
| 写真による判定 | 写真から全壊と判定できる場合や、浸水深が確認できる場合。現地調査を省略する |
| 被害認定調査 | 職員が現地を訪問する。1次調査(外観)と2次調査(屋内)がある |
自己判定方式は早く受け取れますが、一部損壊に同意することが条件です。市が挙げている目安は「浸水の影響で、床下に浸水が生じた被害」で、被害が1棟の10%未満の場合にあたります。床上まで水が来た家がこの方式を選ぶ理由はありません。
区分が変わると使える制度が変わります。半壊以上になると被災者生活再建支援金や公営住宅の一時提供、NHK受信料の免除の対象に入ります。準半壊以上になると災害救助法の住宅の応急修理が使えます。急いで受け取ったために一部損壊で固定されると、この先の申請がすべて外れます。
2次調査は申請できるが、下がることもある
1次調査は外観だけの調査です。水害の場合は外観の損傷状況と浸水深から損害割合を算定します。職員が事前連絡なしに敷地へ入り、写真を撮ることがあります。
2次調査は、1次調査を受けた人が申請した場合と、非木造や3階建て以上の住宅の場合に行われます。外観だけでなく部屋の中まで見る詳細な調査です。千葉市は次の点を明記しています。
- すでに交付された罹災証明書は返却する
- 2次調査の結果、判定が下がる場合がある
- 調査時間は被害の程度により1〜2時間程度かかる
屋内の被害が外観より重いと考えられる場合に申請する制度で、必ず上がるわけではありません。壁の内側や床下の設備の被害を自分で確認したうえで判断することになります。
このほか、証明書が出たあとで新たな被害が確認された場合には再調査を申請できます。千葉市は事前に窓口へ相談するよう求めており、申請後に内容を精査して、再調査が必要と考えられる点についてだけ調査を行うとしています。
写真は4方向と、水の跡
申請には被害状況が分かる写真が要ります。千葉市はカラープリントでの提出を求めています。撮っておくものは次のとおりです。
- 建物全体の全景(可能な限り建物の周囲4方向から)
- 被害箇所(壁に残った水の跡が写ると浸水の高さが伝わる)
- 浸水の高さが分かるもの(メジャーを当てる、床からの高さが分かる位置関係を入れる)
- 外壁とサッシ・ガラス・ドアの損傷(浸水以外の壊れ方は判定を分ける)
- 車の場合は、車の全体・被害箇所・ナンバープレートの3点(被災証明書の申請に必要)
写真を出すと交付までの期間が短くなり、現地調査で判定が難しいときの資料にもなります。火災保険の請求にも同じ写真が使えます。片付けや修理を始める前に撮るのが原則ですが、すでに片付けた場合でも、水の跡や残った損傷を撮っておくと材料になります。
千葉市は8月22日・23日も窓口を開けている
| 区 | 臨時窓口(8月22日・23日) |
|---|---|
| 中央区 | 区役所(きぼーる)11階 市民総合窓口課 |
| 花見川区 | 区役所1階 市民総合窓口課 |
| 稲毛区 | 区役所2階 地域づくり支援課 |
| 若葉区 | 区役所1階 ロビー |
| 緑区 | 区役所1階 地域づくり支援課 |
| 美浜区 | 区役所3階 地域づくり支援課 |
開設時間は平日・土日ともに9時から17時です。平日の窓口は中央区が区役所11階の大会議室、花見川区が2階の特設スペースで、土日と場所が違います。各区の市民センターと連絡所には窓口がありません。
証明書は即日交付されません。世帯主または同一世帯の人が申請でき、代理人の場合は委任状が要ります。世帯主本人であれば電子申請もできます(代理人と事業者は不可)。同じ内容の証明書が追加で必要になったときの再交付も、電子申請に対応しています。
交付された証明書は、マイナンバーカードがあれば全国のコンビニのキオスク端末でも取得できます(1通10円、6時30分〜23時、事前の申請が必要)。四街道市と大網白里市の土日窓口は臨時窓口の記事にまとめています。
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床上か床下か、床上なら何センチか。この2点で区分の見当がつきます。判定に納得できないときは2次調査と再調査という手段がありますが、どちらも下がる可能性を含みます。まず自分の家の浸水の高さを、写真と記憶のあるうちに確定させておいてください。
