【千葉県】停電が続く家で何が起きるか|千葉豪雨では発電機の一酸化炭素中毒で1人、台風25号は断水の4分の3が停電から

台風25号 千葉県の影響 交通・被害・ライフラインの最新状況

台風25号による千葉県内の停電は、9月25日11時時点で約1万1,270軒です。22日17時30分の約4万5,230軒から4分の1まで減りましたが、房総半島の内陸と南部には残っています。停電で困るのは明かりと冷蔵庫だけではありません。8月の千葉豪雨では、停電中に室内で発電機を使った30代男性が一酸化炭素中毒で亡くなりました。台風25号では、断水している約2,695戸のうち約2,084戸が、水道管ではなく停電が原因で水が止まっています。停電が続く家で何が起きるかを、千葉で実際にあったことから並べます。

目次

室内で発電機を使って1人が亡くなっている

千葉県の被害情報第26報に記載されている、8月千葉豪雨の死者13人のうち1人の状況です。

千葉市中央区浜野町/30代男性/8月15日/停電のため室内で発動発電機を使用し、一酸化炭素中毒で死亡した。

一酸化炭素は無色・無臭です。消費者庁は「屋内では絶対に使用しないでください。発電機運転中の排ガスには一酸化炭素が含まれており、屋内で使用すると一酸化炭素中毒になるおそれがあります」と注意喚起しています。さらに「屋外であっても、自動車内やテント内で使用すると屋内と同等以上の危険性があります」として、排ガスが逆流しないよう出入口や窓から離れた風通しのよい場所で使うよう求めています。

この注意が効くのは発電機だけではありません。カセットこんろや木炭、練炭を閉め切った部屋で使う場合も、同じ経路で一酸化炭素がたまります。停電で寒い、あるいは調理したいという理由で室内に火を持ち込む判断が、8月の千葉で実際に死につながりました。

停電が断水を呼んでいる

台風25号では、水道管が壊れていないのに水が出なくなった地区があります。県の第5回災害対策本部会議資料(9月24日12時時点)では、断水は5団体で約2,695戸。このうち停電が原因のものは次の5地区で、合わせて約2,084戸と4分の3を占めます。

地区 戸数 原因 応急給水
君津市 大戸見・坂畑・蔵玉配水区 1,340戸 停電等 松丘コミュニティセンター、亀山コミュニティセンター、道の駅ふれあいパーク・きみつ 笹パーキング
市原市 加茂地区 524戸 停電による浄水場等の停止 上総大久保駅前、加茂公民館、養老渓谷駅前
鋸南町 市井原・大崩・小保田・中佐久間地区 120戸 停電による加圧ポンプ停止 鋸南町浄水場
大多喜町(夷隅郡市広域) 80戸 停電による加圧ポンプ停止 筒森もみじ館、粟又ふるさと館
君津市 怒田地区 20戸 停電等 怒田青年館

9月22日時点で停電による断水とされていた南房総市平久里地区(約530戸)は、24日に復旧しました。電気が戻ればすぐ解消するのがこの型の断水の特徴で、反対に市原市加茂地区のように浄水場そのものが止まると、地区全体の水が止まります。

加圧ポンプは、高台や配水池から遠い地域へ水を押し上げるための設備です。電気で動くため、停電すると止まります。水道管も浄水場も無事なのに蛇口から水が出ない状態で、電気が戻るまで解消しません。マンションの受水槽や高置水槽も同じ仕組みで、停電すると上の階から水が出なくなります。

これとは別に、道路崩落で水道管が壊れた断水も続いています。9月24日12時時点で、君津市植畑233付近の430戸(22日に応急工事を終え、管路の充水・洗浄中)、鴨川市大山地区の130戸(復旧方法を検討中)、鴨川市曽呂地区の50戸、山武市木原地区の1戸です。南房総市千倉町、長柄町山之郷、茂原市大沢、大網白里市大網、千葉市緑区越智町の断水は解消しました。

停電している地域に住んでいる場合、水が出ているうちに浴槽やポリタンクへためておくと、ポンプが止まったあとのトイレに使えます。

信号機が消える

停電した地域では信号機も止まります。台風25号では、茂原市から大網白里市にかけて信号が動かないまま他県ナンバーの車が迂回路を探して走っているという報告が、SNSでの口コミに出ていました。外房線が止まって車の通行量が増えている地域と、停電が残っている地域が重なっています。

信号が消えた交差点は、一時停止して左右を確認してから進むのが原則です。警察官が手信号で整理している場合は、そちらが信号に優先します。ふだん青で通り抜けている交差点ほど、対向車も同じ感覚で入ってきます。

電気が戻るときにも注意がいる

消費者庁は、停電復旧時の通電火災についても注意を呼びかけています。停電中に電気ストーブなどの電熱器具の電源が入ったままになっていると、復旧した瞬間に発熱して周囲のものに引火することがあります。浸水した家電は、内部に水や泥が残ったまま通電すると発火することがあります。

  • 停電したら、電熱器具の電源プラグをコンセントから抜く
  • 家を離れるときはブレーカーを落とす
  • 復旧したら、家電に損傷や異常がないか確認してから順番に通電する
  • 水につかった家電は、乾いたように見えても自分で通電せず、メーカーや販売店に相談する

停電が残っている市町村

県の被害情報第13報(9月25日11時発表)による、停電が残っている地域です。

市町村 9月25日11時 9月23日11時
市原市 約3,170軒 約5,890軒
君津市 約1,800軒 約4,970軒
木更津市 約1,760軒 約2,450軒
大多喜町 約1,130軒 約1,210軒
いすみ市 約670軒 約870軒
鋸南町 約460軒 約560軒
南房総市 390軒 320軒
長柄町 約370軒 約990軒
袖ケ浦市 約340軒 約1,660軒
勝浦市 約280軒 約810軒
富津市 約280軒 約920軒
鴨川市 約270軒 約2,280軒
茂原市 約160軒 約990軒
その他 千葉市稲毛区約50軒、長南町約50軒、一宮町約30軒、山武市約20軒、東金市約20軒、千葉市若葉区・睦沢町は10軒未満 —

鴨川市や茂原市が大きく減った一方、大多喜町は2日でほとんど減っておらず、南房総市はわずかに増えています。市原市・君津市・木更津市・大多喜町の4市町で全体の7割を占めます。いずれも土砂崩れと道路の通行止めが集中している地域で、復旧作業のために現場へ入ること自体に時間がかかっています。停電で断水している君津市と市原市の地区は、この停電が解消するまで水が戻りません。

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