水が引いたあと、まずやりたくなるのは片付けです。ただし、片付けを始める前にやっておくことがあります。り災証明書の申請には被害を確認できるものが必要で、家財を運び出したあとでは被害の状態を示せなくなるためです。順番を間違えると、あとから受けられる支援が変わります。
片付けの前に写真を撮る
| 撮るもの | ポイント |
|---|---|
| 建物の外観 | 4方向から。浸水した高さが壁に残っているうちに撮る |
| 浸水の高さ | 床から水の跡までがわかるように。メジャーを当てると伝わりやすい |
| 部屋ごとの様子 | 被害を受けた部屋すべて。水につかった家財も一緒に写す |
| 設備の被害 | 給湯器、エアコンの室外機、分電盤など |
浸水の高さは、被害の程度を判定する材料になります。壁に残った水の跡は掃除すると消えるので、拭き取る前に撮ってください。写真は日付がわかる形で保存し、保険会社への連絡にも同じものを使えます。
SNSでの口コミでも、片付ける前に被災状況を写真で記録するよう呼びかける投稿が広がっていました。建築の専門家からは、写真を撮ったあとに生活環境の確保と、建築会社・行政・保険会社への連絡を同時に進めるとよいという助言も出ています。稲毛の駐輪場で自転車や車が水没した、道路が川のようになったといった投稿もあり、住宅以外の被害も記録の対象になります。
り災証明書はどこで受け付けるか
り災証明書は、自然災害による住家の被害の程度を市町村長が証明する書類です。各種の被災者支援制度を申請するときに必要になります。千葉市の場合は各区役所の地域づくり支援課で無料交付され、受付時間は平日が8時30分から18時、土曜・祝休日(日曜を除く)が8時30分から17時です。申請に必要なのは、り災証明書申請書、被害を確認できるもの(写真など)、本人以外が届け出る場合は委任状です。
今回の豪雨では県内21市4町に災害救助法が適用されました(内閣府第3報時点)。市町村によって受付の窓口も、この災害向けの特別な受付体制も違います。自分の市の発表を確認してから向かってください。窓口が混み合う時期なので、必要な書類をそろえてから行くほうが早く済みます。
災害ごみは仮置き場と戸別回収の両方が動いている
浸水した畳、家具、家電は、通常のごみ収集とは別に扱われます。8月19日時点で、千葉市は美浜区(新港清掃工場 旧溶融スラグストックヤード用地)と緑区(若葉・緑環境事業所)の2か所に仮置き場を開設し、茂原市、大網白里市、八千代市、四街道市なども受け入れを始めています。持ち込みには本人確認書類と申請書が要る市が多く、料金は無料で指定袋も要りません。
自分で運べない場合は戸別回収があります。ただし申し込みの要否が市によって逆で、茂原市は自宅前に出せば申し込み不要、八千代市は電子申請、四街道市と鎌ケ谷市は電話、千葉市は受付から連絡までに1〜2週間かかります。仮置き場の場所と時間は災害ごみの仮置き場とり災証明の窓口、戸別回収の手順は災害ごみを自分で運べないときの戸別回収にまとめています。
集積所へ勝手に出すと回収されずに残ることがあります。市の収集を待つ間は、通行や近隣の生活の妨げにならない場所に、種類ごとに分けて置いてください。
大網白里市は災害ごみと家屋消毒の窓口を開いた
大網白里市は、被災した人向けの支援として次の窓口を設けました。市町村ごとに担当課が違うので、自分の市の発表を確認する手がかりとして参考になります。
| 支援 | 担当・連絡先 |
|---|---|
| 災害ごみの収集 | 地域づくり課 環境対策班(0475-70-0386) |
| 浸水した家屋の消毒 | 健康増進課 成人保健・予防班(0475-72-8321) |
| 災害ボランティア | 市社会福祉協議会(0475-72-7292) |
| 被災家屋の対応説明会 | 安全対策課 防災対策班(0475-70-0303)。千葉南部災害支援センターが実施 |
浸水した家屋の消毒を市が行う仕組みがある点は見落とされがちです。自分で薬剤を用意する前に、住んでいる市に同じ窓口があるか確かめてください。
清掃と消毒の順番
消毒でつまずきやすいのは順番です。汚れを落として乾かす前に薬をまいても効きません。床下と庭は千葉市が「原則不要」としており、市に依頼できる範囲も千葉市は床上、松戸市は床下、八千代市は原則屋外と分かれています。薬の希釈率と市ごとの受付は床下と庭の消毒は原則いらないにまとめました。千葉市への申し込みの受付は8月21日までです。
- 泥をかき出す。乾く前のほうが取り除きやすい
- 水で洗い流す。床下まで浸水した場合は床下の泥も出す
- 乾かす。扇風機や送風機を使い、風を通す。ここが不十分だとカビが出る
- 乾いてから消毒する。濡れたまま消毒しても効果が薄い
消毒は乾燥のあとです。順番を逆にすると効きません。作業のあいだは、ゴム手袋、長靴、マスク、できればゴーグルを着けてください。泥には下水が混じっていることがあります。夏場は熱中症の危険もあるので、日中の作業は休みを挟みながら進めてください。
下水道が使えない地域がある
八千代ポンプ場の停止により、印西市の千葉ニュータウン地域などでは下水道の使用自粛が呼びかけられています。八千代市も一部区域で使用制限を案内し、千葉市は8月14日16時39分に対象地域の一部解除を告知しました。掃除で大量の水を流す作業は、この自粛の対象になります。自分の地域が対象かを確認してから始めてください。
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写真を撮る、市の発表を待つ、乾かしてから消毒する。この3つの順番を守れば、あとの手続きで困ることが減ります。急いで捨ててしまう前に、まず記録を残してください。
