令和8年8月千葉豪雨で、千葉県内では冠水した道路に取り残された車が多数出ました。水が引いたので動かそう、と考えるのが自然ですが、そこがいちばん危ないところです。国土交通省とJAFはいずれも「自分でエンジンをかけない」ことを最優先の注意として挙げています。
まず守ること
| やること | 理由 |
|---|---|
| 自分でエンジンをかけない | 外観に問題がなくても、感電事故や電気系統のショートによる車両火災が起きるおそれがある |
| バッテリーのマイナス側の端子を外す | 使うまでの間の発火のリスクを下げる。外した端子がバッテリーに触れないようテープなどで覆う |
| ハイブリッド車・電気自動車はむやみに触らない | 高電圧のバッテリーを積んでいるため |
| 販売店か最寄りの整備工場に相談する | 自分で判断せず、点検してもらってから使う |
これは国土交通省が浸水・冠水被害を受けた車両のユーザー向けに示している内容です。冠水した水には泥や油が混じっていて、エンジンやモーターの内部、配線の接続部に入り込みます。乾いたように見えても内部に残るため、外から状態を判断できません。
冠水の途中で立ち往生したときは
走行中に車内まで水が入ってきた場合は、車を止めてエンジンを切り、そのうえで避難の方法を考えます。水位が上がると電気系統がやられてパワーウインドウが動かなくなり、水圧でドアが開かなくなります。脱出できるうちに車から出るのが基本です。車は水が引くまで置いておき、ロードサービスや販売店へ連絡します。
ロードサービスは混み合っている
SNSでの口コミでは、JAFの出動待ちが1,000台規模になっているという声が出ていました。レッカー業者も各地で作業を続けています。すぐに来てもらえない前提で、車の場所と状態を控え、連絡先を押さえておいてください。路上に残された車は、自治体が移動する場合もあります。千葉市は8月14日15時47分に「大雨に伴う放置車両などの移動を行います」と告知しました。自分の車が移動される可能性がある場所に残っているなら、市の案内を確認してください。
保険は車両保険で扱われる
水没による車の損害は、原則として車両保険で補償されるのが業界共通の扱いです。ただし対人・対物だけの契約や、車両保険を付けていない契約では対象になりません。自分の契約に車両保険が付いているかを、証券か保険会社のマイページで確認してください。連絡するときに必要になるのは、被害を受けた日時と場所、車の状態がわかる写真です。
写真は、動かす前に撮っておきます。車全体、水に浸かった高さがわかる位置、室内の浸水の様子、ナンバーが読めるカットがあると手続きが進みやすくなります。り災証明の手続きでも被害の状況がわかるものが求められるので、同じ写真が使えます。
そもそも冠水路に入らない
今回の豪雨では、冠水した道路で亡くなった人が複数います。車の床面を超える深さでは走行できなくなり、マフラーから水が入ればエンジンは止まります。アンダーパスや高架下は周囲より低く、外から見て深さがわかりません。水がたまっている場所は、迂回できるなら通らないでください。すでに水に入ってしまい、動けなくなったら、車を捨てて高いところへ移ることを優先してください。
路上に残された車が次の渋滞を作っている
SNSでの口コミでは、千葉駅周辺で無人の水没車が並んでいたこと、一日で30台ほど見たという声、放置された車が車線を塞いでバスが通れなくなったことが伝えられていました。アンダーパスでは停電で非常用発電機も動かず排水できなかったという投稿も出ています。高速道路の通行止めで一般道へ車が流れ込んだ時間帯と重なり、渋滞が延びました。また、残価設定クレジットで購入した車が全損になった場合の扱いを心配する声もありました。契約によって残債の扱いが変わるので、保険会社と販売店の両方へ確認してください。
確認先
- 国土交通省 浸水・冠水被害を受けた車両のユーザーの方へ
- JAF 車内まで冠水した自動車の扱いと対処方法
- 千葉市(放置車両の移動について)
関連する記事
水が引いた車を前にしてまずやることは、キーを回すことではなく、写真を撮って連絡することです。順番を守れば、火災も感電も避けられます。
