片付けが進む段階で危ないのは、壊す動作です。古い建材はカッターで切ったりハンマーで割ったりするとアスベストが飛びます。浸水した浄化槽は、水をかぶったブロワ(送風機)をそのまま動かすと漏電のおそれがあります。どちらも見た目では分からないので、作業に入る前に確認してください。
災害ごみを砕かない、濡らしてから運ぶ
千葉県は災害廃棄物の処理にあたって、アスベストの飛散・ばく露防止対策を市町村へ周知しています。アスベストを含む建材は築年数の古い建築物のさまざまな箇所に使われている可能性があり、とくに吹付け材や保温材は飛散性が高いとされています。
注意が要るのは、戸建住宅にも使われている成形板です。スレート材やせっこうボードなどで、通常の状態なら飛散のおそれはありませんが、破損すると飛びます。片付けで割れた屋根材や壁材を扱うときが、まさにその状態です。
県が挙げている遵守事項は3つです。
- 防じんマスク(粒子捕集効率95%以上、N95規格・DS2規格など)を着用する
- 成形板を片付け、処分する際は散水などで湿らせる
- カッターでの切断やハンマーでの破砕など、粉じんを発生させる作業を行わない
仮置き場へ運びやすくするために板を割る、という作業がいちばん危険です。かさばっても割らずに運ぶか、湿らせてから扱ってください。住民やボランティア、復興作業員は、被災した建築物にむやみに近づかないことも求められています。
建物の所有者・管理者には応急措置が求められます。損壊箇所からアスベストが飛散するおそれがある場合は、周辺を立入禁止にしたうえで、養生や散水・薬液散布による飛散防止を行います。アスベストの含有が疑われる建材を見つけた場合の連絡先は、千葉県環境生活部大気保全課 大気規制班(043-223-3804)です。
浄化槽は使えるが、ブロワが濡れていたら触らない
下水道が来ていない地域では、浸水で浄化槽が影響を受けます。千葉県水質保全課の案内によると、浸水すると浄化槽の内部に空気を送るブロワに水が入り、故障して汚水の処理能力が落ちます。
危ないのは、浸水したブロワが動いてしまう場合です。内部が濡れている状態で使うと漏電などのおそれがあり危険とされています。ブロワの状態を確認するときは、ゴム手袋などを着用してください。
浄化槽そのものは使えます。ただし正常に機能しているか確認できるまでは、大量の排水を流すのは控えます。ブロワが止まると中の微生物が酸欠で減り、処理機能が落ちるためです。県は「十分に処理されていない可能性がある排水を外部に放流することになりますが、災害時には生活の維持が最優先となりますので、暫定的に使用を継続することもやむを得ません」としています。
すぐ業者へ連絡する4つのサイン
- ブロワが水没した形跡がある
- 排水口がつまったようになって、水が流れていかない
- 浄化槽の蓋がずれている、または漏水している
- いやな臭いが4日間以上続いている
とくに注意したいのが、電動の放流ポンプを使っている浄化槽です。浸水でポンプが壊れると処理水を出せなくなり、使い続けるうちに槽内が満水になります。部屋の排水口から水があふれる、トイレの水が流れないという症状は、満水になっている可能性があります。ポンプが使えない場合は清掃車による引き抜きが必要です。
土砂が槽内に流れ込んで機能に影響が出ている場合は、汚泥や土砂の引き抜きになるため、契約している清掃業者へ相談します。管の詰まりが疑われる場合は保守点検業者です。放流先が側溝など細い水路なら、土砂でふさがれていないかも確認してください。県の担当は水質保全課 浄化槽班(043-223-3813)で、県内の浄化槽保守点検業者一覧も公開されています。
どちらも「業者に頼む前」に写真を残す
ブロワの交換も、破損した屋根材の撤去も、費用がかかります。り災証明の被害認定や火災保険の請求では、直す前の状態を示す写真が根拠になります。業者を呼ぶ前に、水没したブロワ、ずれた浄化槽の蓋、割れた建材の状態を撮っておいてください。
あわせて、片付けを事業者に請け負わせた場合に出た廃棄物は、災害ごみの仮置き場や戸別回収の対象外になる市があります(茂原市が明記)。処分費が見積もりに入っているかを、契約の前に確かめる形になります。
確認できる公式情報
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アスベストも浄化槽も、急いで手を入れると悪くなる種類の問題です。板は割らずに湿らせて運ぶ、濡れたブロワは動かさずに業者へ連絡する。この2つを決めておけば、片付けの途中で新しい被害を作らずに済みます。
