令和8年8月千葉豪雨で被災した事業者・農家への支援|災害復旧貸付と農業の制度融資4種、農地は査定前着工が使える

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店舗や工場、事務所が浸水した事業者向けの支援も動き出しています。経済産業省は8月14日、令和8年8月千葉豪雨で被災した中小企業・小規模事業者への支援措置を発表しました。住宅向けのり災証明とは別の枠組みなので、事業をしている人はこちらも確認してください。

目次

資金繰りの支援

制度・機関 内容
日本政策金融公庫・商工中金 災害復旧貸付。運転資金と設備資金が対象
信用保証協会 セーフティネット保証などの保証制度
中小企業基盤整備機構 小規模企業共済の契約者向けの災害時貸付
既往債務 返済条件の変更、貸出手続きの迅速化、担保徴求の弾力化を各機関へ要請

すでに借りている資金についても、返済条件を柔軟に扱うよう国から要請が出ています。返済が難しくなりそうな場合は、滞納してから相談するのではなく、早めに取引先の金融機関へ連絡してください。

相談窓口

特別相談窓口が、日本政策金融公庫、商工中金、信用保証協会、商工会議所、商工会、中小企業団体中央会、よろず支援拠点、中小企業基盤整備機構の関東本部などに設けられました。

千葉商工会議所は、中小企業者向けの特別相談窓口を千葉市中央区の会館に設置し、平日9時から17時まで受け付けています。支援制度の内容や経営の相談ができます。

農地・農業用施設は「査定前着工」が使える

関東農政局は、農地や農業用施設の復旧について査定前着工の活用を促しています。災害復旧事業は本来、国の査定を受けてから工事に入りますが、査定を待っていると作付けや水利に間に合わないことがあります。査定前着工は、一定の手続きを踏めば査定の前に工事を始められる仕組みです。あわせて、二次災害を防ぐための応急工事も進められています。

今回の豪雨では、稲が穂を出した時期の水田が広く浸水しました。用水路や畦畔、農道の被害は、放置すると次の作付けまで響きます。市町村の農政担当か、地域の土地改良区へ早めに相談してください。

県が農業・林業・水産の相談窓口を置いた

千葉県は8月20日の取組資料で、農林漁業者向けの相談窓口の設置を新たに挙げました。置かれたのは各農業事務所(農業関係)、各林業事務所(林業関係)、水産課と各水産事務所・各漁港事務所(水産関係)です。分野ごとに窓口が分かれているので、被害の中身に合わせて選ぶ形になります。総括は農林水産部農林水産政策課(043-223-2807)です。

県はあわせて、各地域の出先機関と関係機関の職員による被災現場の状況調査、農作物被害の事後対策に関する技術指導、市町村の農業基盤施設等の復旧に対する技術的助言も進めています。

農家が使える制度融資は4種類

大網白里市が、被災した農業者向けの制度融資をまとめています。中小企業向けの災害復旧貸付とは窓口が別で、日本政策金融公庫でも農林水産事業の担当になります。

資金 使いみち 相談窓口
農林漁業セーフティネット資金 経営の維持・安定に必要な運転資金を低利で融資 日本政策金融公庫千葉支店 農林水産事業 043-238-8501
農林漁業施設資金(災害復旧) 農業施設などの復旧に必要な設備資金を低利で融資 同上
農業近代化資金 建構築物などの整備資金や長期の運転資金。県が融資機関へ利子補給を行うため低利になる 信用事業を行う農業協同組合など
農業経営基盤強化資金(スーパーL資金) 認定農業者が経営改善のために使える長期資金 日本政策金融公庫千葉支店 農林水産事業 043-238-8501

農業近代化資金だけは窓口が農協で、公庫ではありません。認定農業者かどうかで選べる資金も変わるので、まず市町村の農政担当か農協へ相談する形になります。大網白里市の窓口は農業振興課農政班(0475-70-0345)です。

千葉市は被害報告書の様式を配った

千葉市は8月20日、被災した農業者向けのページを開設し、被害報告書の様式を2種類公開しました。農業用機械および施設・設備等用と、農業生産基盤用で、それぞれWordとPDFがあります。機械や施設の被害と、農地や用排水路といった生産基盤の被害は別の様式で報告する形です。

千葉県と千葉市が共同で作成したチラシ、日本政策金融公庫の特別相談窓口の案内もあわせて掲載されています。窓口は千葉市農政センター農業生産振興課(043-228-6278)と農政課(043-245-5757)です。被害の報告は融資や復旧事業の前提になるので、写真を撮ったら様式を取りに行く順番になります。

見回りの前に、天気と足元を確かめる

千葉県農林水産部担い手支援課は、大雨被害に係る事後技術対策の資料を市町村へ提供しました。大網白里市はこれを配布し、農作業と農地・農業用施設の見回りを行う前に、気象情報や周囲の状況を十分に確認し、安全を確かめたうえで行動するよう呼びかけています。

具体的に挙げられているのは2つです。ひとつは熱中症で、こまめな水分補給と休憩、暑い時間帯の作業を避けること。もうひとつは足元で、作業道がぬかるみ、路肩が崩れやすくなっているため、農業機械が横転する危険があるという指摘です。水が引いた直後の農道は、見た目が普段どおりでも支持力が落ちています。トラクターやコンバインを入れる前に、路肩から距離を取れるか確かめてください。

金融機関にも国から要請が出ている

財務省関東財務局千葉財務事務所が、預貯金取扱金融機関、証券会社等、生命保険会社、損害保険会社、少額短期保険業者、電子債権記録機関に対して金融上の措置を要請しました。預金証書や通帳を失った場合の払い戻し、保険証券を失った場合の保険金支払い、返済猶予といった柔軟な対応が対象です。実際にどこまで応じるかは金融機関ごとに違うため、取引先へ直接確認する形になります。

飲食店や食品製造施設が浸水した場合は、再開前の清掃・消毒と、使う水の確認が必要です。手順は浸水した店と冷蔵庫の中身は何を捨てるかにまとめています。井戸水を使っている店は水質検査が再開の前提になるため、清掃と並行して早めに手配してください。

手続きの入口は「被災の証明」

事業所の被害についても、市町村が発行する証明が手続きの入口になります。四街道市の例では、住家以外の建物や車庫、車両、家財などの動産が被害を受けた場合はり災届出証明書の対象です。被害の程度までは証明されませんが、被害があったという届出がされたことを市が証明します。

申請には被害状況のカラー写真が要ります。片付けや修理を始める前に、建物の外観、浸水の高さ、設備や在庫の状態を撮っておいてください。写真がないと市は被害の程度を証明できません。

災害救助法の適用市町村

中小企業基盤整備機構の災害時貸付は、災害救助法が適用された市町村の事業者が対象になります。今回適用されたのは千葉県の21市4町で、千葉市(市が直接実施)、市川市、船橋市、館山市、松戸市、茂原市、佐倉市、東金市、習志野市、柏市、市原市、八千代市、我孫子市、鎌ケ谷市、四街道市、八街市、印西市、白井市、富里市、山武市、大網白里市、酒々井町、九十九里町、白子町、長柄町です。

災害資金は限度額と据置期間が決まっている

千葉県が8月20日に公開した「令和8年8月千葉豪雨で活用できる資金について」に、日本政策金融公庫の災害資金の条件が示されました。使いみちだけでなく、借りられる額と返す期間が分かります。

資金 使いみち 貸付限度額 償還期限(据置)
農林漁業セーフティネット資金 経営再建、長期運転資金 600万円 15年(3年)
農林漁業施設資金 被災した農舎・畜舎等の復旧 負担する額の80%、または1施設あたり300万円 15年以内(3年以内)
農林漁業施設資金 果樹の改植または補償費用 同上 25年以内(10年以内)

据置期間は元金の返済を待ってもらえる期間です。セーフティネット資金なら3年、果樹の改植なら10年あります。作物が実るまで収入が戻らない品目ほど、据置が長く設定されています。

このほか通常の制度資金として、農業経営基盤強化資金(スーパーL資金)、経営体育成強化資金、農業経営改善促進資金(スーパーS資金)、農業近代化資金、農業経営負担軽減支援資金、漁業近代化資金、漁業経営維持安定資金が使えます。県は共済組合と融資機関に対し、共済金の早期支払と運転資金融資の速やかな対応を要請しました。日本政策金融公庫は「令和8年8月13日からの大雨に伴う災害に関する特別相談窓口」を設けています。

相談先は地域ごとに分かれている

農業は県内10か所の農業事務所、漁業は3か所の水産事務所が窓口です。農作物の早期回復技術の指導や経営指導も受けられます。

農業事務所 電話 農業事務所 電話
千葉 043-310-3026 山武 0475-54-1122
東葛飾 04-7143-4122 長生 0475-22-1751
印旛 043-483-1129 夷隅 0470-82-4956
香取 0478-52-9192 安房 0470-22-7131
海匝 0479-62-0156 君津 0438-25-0107
窓口 電話 担当
銚子水産事務所 0479-22-8397 銚子・成田(旧下総町)・東金・旭・匝瑳・香取・山武・大網白里・神崎・多古・東庄・九十九里・芝山・横芝光
館山水産事務所 0470-22-5761 館山・鴨川・富津(旧大佐和町、旧天羽町)・南房総・鋸南
銚子漁港事務所 0479-22-6503 銚子・外川・飯岡・栗山川・片貝の各漁港
南部漁港事務所 0470-22-4751 小糸川・富津・勝山・船形・富崎・乙浜・千倉・和田・鴨川・天津・小湊・勝浦・大原・太東の各漁港
農林中央金庫千葉支店 043-369-4000 融資機関(農業)
東日本信用漁業協同組合連合会 043-242-5265 融資機関(漁業)
県農林水産部団体指導課 043-223-3074 農業・漁業関係全般
日本政策金融公庫千葉支店 043-238-8501 農林水産事業

県は農林水産業者に対して「被害を受けた農作物や被害箇所について、写真に撮影するなど記録を取っておくように」と呼びかけています。融資も共済も、被害の記録が前提になります。県は水稲・にんじん・ねぎについて、品目別の事後対策も公開しました。

確認先

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事業者向けの支援は、住宅向けと窓口も書類も別です。まず写真を残し、取引のある金融機関と地元の商工会議所へ連絡するところから始めてください。

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