9月5日の更新:指定のくくりが広がりました。高市総理は9月4日午前の第1回令和8年熊本地震非常災害復旧復興本部で、8月27日からの大雨で被害が出た富山県・石川県・福井県など北陸の豪雨についても、「梅雨前線から千葉豪雨までの一連の気象現象」と一連性があると判断されたとして、農地などについて「本激」の指定が見込まれると述べました。千葉豪雨と同じひとくくりの災害として指定されることになります。指定に必要な政令は、9月5日時点でまだ公布されていません。9月1日と9月4日の閣議で決定された政令に、激甚災害の指定に関するものは含まれていません(9月4日の政令案件は予備自衛官等の兼業特例法の施行期日を定める政令1件のみ)。「指定される見込み」の段階が続いています。
9月1日時点:激甚災害の指定に必要な政令は、まだ公布されていません。8月28日と9月1日の閣議で決定された政令に、激甚災害の指定に関するものは含まれていません。「指定される見込み」の段階が続いているということで、自治体の災害復旧事業に国庫補助率がかさ上げされるのは、政令が公布・施行されてからです。被災した人が個人で申請する手続きではないため、いま急いですることはありません。
令和8年8月千葉豪雨は、激甚災害の「本激」に指定される見込みになりました。高市総理が8月27日の関係閣僚会議で表明したもので、5月23日からの梅雨前線や台風による豪雨と一連の気象現象として、まとめて指定されます。ただし、これで自宅の修理代が国から出るようになるわけではありません。かさ上げされるのは、農地や公共土木施設など自治体が行う復旧工事への国庫補助です。個人が使う制度は、8月14日の災害救助法の適用ですでに動いています。同じ会議では、浸水でエレベーターや水道が止まったままのマンションについて、工事業者と管理会社を結びつける支援と、復旧までの間のホテル・旅館への避難支援も示されました。
8月27日に「本激」として指定される見込みになった
8月27日、総理大臣官邸で第3回令和8年8月千葉豪雨に関する関係閣僚会議が開かれました。高市総理はこの場で、令和8年8月千葉豪雨について「5月23日からの梅雨前線や台風による豪雨と一連の気象現象として、激甚災害に指定する見込みとなりました」と述べ、続けて「農地などの災害復旧事業について、全国一律に国庫補助嵩上げの特別措置を行う、いわゆる本激として指定する見込み」と説明しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 表明の日 | 8月27日(第3回令和8年8月千葉豪雨に関する関係閣僚会議) |
| 指定の種類 | 本激(対象区域を全国として、対象災害と適用措置を指定する) |
| 対象のくくり方 | 5月23日からの梅雨前線や台風による豪雨と一連の気象現象として、まとめて1つの災害として扱う |
| 主な効果 | 農地などの災害復旧事業について国庫補助率をかさ上げ |
| 8月30日時点の状態 | 「指定する見込み」の段階。指定に必要な政令の公布は、8月30日時点で確認できていない |
「本激」と「局激」は、同じ激甚災害法にもとづく特例措置なので、措置の中身そのものに違いはありません。内閣府の激甚災害制度Q&Aによれば、違いは指定のしかたにあります。本激は対象区域を全国として、対象災害と適用措置の2つを指定します。局激は、対象災害と適用措置に加えて、対象区域を市町村単位で明示して指定します。今回のように被害が複数県にまたがる場合、市町村を1つずつ挙げていく局激より、本激のほうが手続きが速く進みます。
注意したいのは、これがまだ「見込み」だという点です。激甚災害の指定は政令で行われます。表明から政令の閣議決定・公布までは間があくのが通常で、8月30日時点で公布は確認できていません。
自宅の修理代が出る制度ではない
激甚災害に指定されると個人にお金が出ると受け取られがちですが、かさ上げの対象は自治体などが行う事業です。農地・農業用施設の災害復旧事業、公共土木施設の災害復旧事業、中小企業への信用保証の別枠といったものが中心で、住宅を直す費用が直接支給される制度ではありません。
個人が使える制度は、すでに動いている別の枠組みです。千葉県では8月14日に災害救助法が適用され、対象は21市4町に広がりました。ここから住宅の応急修理や避難所の設置が動いています。被災者生活再建支援法にもとづく支援金、災害弔慰金、災害援護資金の貸付も、激甚災害の指定とは別の制度です。
| お金の出どころ | 誰が使うか | 今の状態 |
|---|---|---|
| 激甚災害の指定(本激) | 市町村・県(復旧工事)、中小企業(信用保証の別枠) | 8月27日に指定の見込みを表明。政令は未確認 |
| 災害救助法 | 個人(住宅の応急修理、避難所など) | 8月14日適用、21市4町 |
| 被災者生活再建支援法 | 個人(全壊・大規模半壊などの世帯) | り災証明の判定にもとづき受付中 |
| 各市の災害見舞金 | 個人(市によって金額が違う) | 千葉市は罹災証明書の発送時に案内を同封 |
つまり、指定の報道を見て新しく申請できるようになるものは、個人にはありません。すでに始まっている手続きを進めるほうが先です。
マンションのエレベーターと水道は、まだ止まっている物件がある
同じ会議で総理は、浸水によりエレベーターや水道などが停止したマンションについて「日常を取り戻されてきた物件も増えてきてはいるのですが、依然復旧ができていない物件も残っています」としたうえで、次の2つに取り組むと述べました。
- 迅速な復旧を図るため、工事業者や管理会社などを結び付けるプッシュ型支援を行う
- マンションの設備が復旧するまでの間、要配慮者などが希望に応じてホテルや旅館へ避難できるよう、各自治体の取り組みを支援する
マンションの地下にある受変電設備や給水ポンプが水につかると、電力会社の停電情報には表示されないまま、その建物だけが停電・断水します。復旧には設備の入れ替えが要ることが多く、部材の調達から1か月以上かかる例が出ています。エレベーターが止まると、上層階の高齢者は自力で外に出られません。ホテル・旅館への避難が支援の対象に入ったのは、この状況に対応するものです。マンションの「隠れ停電」で、確認先と管理組合の動き方をまとめています。
自分のマンションが該当する場合、まず動くのは管理組合か管理会社です。個人で工事業者を探すより、市の窓口へ管理組合として相談したほうが、このプッシュ型支援の対象になりやすくなります。
道路上の被災車両は、ほぼすべて撤去が終わった
8月27日時点で、国・県・千葉市が管理する道路に路肩まで含めて残っていた被災車両は、8月22日に撤去が完了しました。その他の市町についても、8月26日17時現在で残るのは2台で、いずれも所有者が判明しています。8月18日に国と県などで設置したプロジェクトチームが、レッカー車と車両移動用ドーリーを市ごとに配り替える形で進めてきたものです。
路上の車が片づいたことで、次に残るのは自分の車の処分と保険の手続きです。水没した車をどう扱うかは冠水で水没した車はどうすると水没した車の保険はいくら出るのかにまとめています。
8月27日時点の被害
内閣府が8月27日10時現在でまとめた数字です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 死者 | 13人(千葉市6人、市川市1人、佐倉市2人、柏市1人、市原市1人、八千代市1人、いすみ市1人) |
| 行方不明者 | 1人 |
| 負傷者 | 46人(重傷2人、軽傷44人) |
| 住家被害 | 合計4,635棟(千葉県4,597棟、埼玉県38棟)。全壊3棟、半壊302棟、床上浸水2,220棟、床下浸水2,022棟、一部破損88棟 |
| 避難所 | 5自治体12か所に47人(8月27日9時30分時点) |
| 避難指示 | 発令されていたものはすべて解除 |
| 土砂災害 | 千葉県227件(人家全壊1戸、半壊2戸、一部損壊21戸。8月26日20時時点) |
発災から2週間が過ぎても、5つの自治体で12か所の避難所が開いたままです。断水と停電は解消し、道路の通行止めも県道2区間まで減りましたが、住まいに戻れない人が残っています。
体育館のエアコン設置は令和13年度中へ前倒し
同じ会議で、避難所になる全国の学校体育館などのエアコン設置率について、「令和17年度中に100%」としていた目標を「令和13年度中に100%」へ前倒すことが示されました。今回の豪雨では、最高気温30度前後の日が続くなかで避難生活が始まっています。
あわせて、防災・災害対応の司令塔となる「防災庁」の設置も視野に、来年の出水期を見据えた検討会を立ち上げ、対策をまとめることが指示されました。今回の豪雨で広い範囲に起きた内水氾濫が、その検討の対象に挙げられています。内水氾濫がどこで起きたかは浸水被害の55.7%はハザードマップの外だったで扱っています。
確認先
- 首相官邸 令和8年熊本地震非常災害対策本部会議・令和8年8月千葉豪雨に関する関係閣僚会議(8月27日)
- 内閣府 令和8年8月千葉豪雨による被害状況等について(8月27日10時現在)
- 内閣府 激甚災害制度Q&A
- 国土交通省 令和8年8月千葉豪雨による被害状況等について(第13報・8月27日)
- 千葉県 令和8年8月千葉豪雨に伴う対応
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指定の見込みが出た段階で、市町村は復旧工事の予算を組みやすくなります。ただし住民の側でやることは変わりません。り災証明の申請、応急修理の申し込み、保険の請求は、それぞれの期限に沿って進めることになります。
