【千葉県】台風25号でJRは房総各線が終日運休|9月22日に動いている路線と、県道・国道111か所の通行止め

台風25号 千葉県の影響 交通・被害・ライフラインの最新状況

台風25号は9月22日朝に日本の東へ抜け、県内は晴れています。それでも動けるかどうかは別の話で、JR東日本の運行情報では千葉県内の在来線は総武快速線・京葉線・武蔵野線・常磐線各線を除いてほぼ全区間が止まったままです。房総各線は終日運転見合わせ、総武本線と成田線は佐倉駅付近の高崎川氾濫で再開の見込みが立っていません。道路も県管理分だけで111区間が全面通行止め。土砂災害の危険警報は22日11時43分に県内全域で解除されましたが、北西部と南部には低い土地の浸水への警戒が残っています。

目次

9月22日に動いている路線と、止まっている路線

JR東日本の運行情報(9月22日12時40分時点)と、千葉県災害対策本部の資料(別紙6・9月22日8時40分時点)を突き合わせると、次のとおりです。

区分 路線・区間 状況
動いている 京葉線 平常運転
武蔵野線 平常運転
中央・総武各駅停車、常磐線各駅停車 平常運転
総武快速線 上下線で一部列車が運休
再開の見込みが立っていない 総武本線(四街道〜佐倉) 高崎川の氾濫。千葉〜四街道は遅れ、本数を大幅に減らして運転
成田線(千葉〜成田、成田〜成田空港) 佐倉駅付近の河川氾濫で始発から見合わせ
外房線(千葉〜誉田) 一度再開したのち土砂流入で再び見合わせ
終日運転見合わせ 総武本線(佐倉〜成東) 南酒々井〜榎戸間の土砂流入
成田線(成田〜銚子) 下総橘〜下総豊里間の線路支障
成田線(成田〜我孫子) 布佐〜新木間の線路支障
内房線(千葉〜木更津) 姉ケ崎〜長浦間の土砂流入
久留里線(木更津〜上総亀山) 代行輸送なし
鹿島線(佐原〜鹿島神宮) 代行輸送なし
特急さざなみ・わかしお・しおさい 終日運休
夕方以降に再開見込み(県資料・8時40分時点) 総武本線(成東〜銚子) 夕方頃
外房線(誉田〜勝浦)、東金線(大網〜成東) 夕方頃
内房線(木更津〜安房鴨川)
外房線(勝浦〜安房鴨川)

終日運転見合わせの区間は、いずれも代行輸送が行われていません。JR東日本千葉支社は9月22日10時、外房線(千葉〜誉田)、総武本線(四街道〜佐倉)、成田線(四街道〜成田空港)について本日中の運転再開を目標とすると発表しています。目標であって確定ではないので、夕方の移動を予定しているなら出発直前に見直してください。

私鉄と第三セクターの状況は次のとおりです。

事業者 9月22日の状況
京成本線 京成臼井〜京成佐倉が河川増水で運転見合わせ。京成上野〜京成臼井、京成佐倉〜成田空港で折返し運転(12時39分時点)
成田スカイアクセス線 遅れは出ているが全線で運行
小湊鐵道 五井〜上総牛久は12時33分(上総牛久発は12時35分)から運転再開。上総牛久〜上総中野は台風被害で当分の間運休、並行する道路も被災しているため代行輸送なし
いすみ鉄道(代行バス) 大多喜発12時38分の大原行き、13時23分の上総中野行きから再開

小湊鐵道は8月の千葉豪雨からの復旧途中で、公式サイトには「8月の豪雨被害の影響による列車運行計画は、白紙となります」と書かれています。上総牛久から先は、いつ戻るかの目安すら出ていない状態です。

成田空港へは成田スカイアクセス線だけが生きている

成田空港への鉄道アクセスは、JR成田線(千葉〜成田空港)と京成本線の両方が止まっています。成田エクスプレスは下り25号・上り26号まで運休が決まり、27号(大船12時10分発・新宿12時38分発・東京13時03分発)以降も運休の可能性があると県資料に記載されています。日暮里・青砥から空港へ向かうルートは、遅れつきの成田スカイアクセス線一本だけです。

高速バスは、成田空港〜海浜幕張駅・稲毛海岸駅線が第3ターミナル9時発から再開した一方、錦糸町・スカイツリータウン線、新横浜・たまプラーザ線、町田・橋本線の午前便は運休しました。東京駅〜木更津・君津方面(アクシー号、君津線、勝浦線)は当面運行見合わせ、房総なのはな号は東京発12時20分発まで、新宿なのはな号はバスタ新宿15時50分発までが運休です。

高速道路は解除が進行中、県管理道路は111区間が全面通行止め

県土整備部の集計(9月22日6時時点)では、高速道路の通行止めは次のとおりでした。

路線 区間 6時時点の解除見込み
圏央道 木更津JCT〜東金JCT(内外回り) 未定
千葉東金道路 千葉東JCT〜東金JCT(上下線・全区間) 未定
館山自動車道 蘇我IC〜富浦IC(上下線) 未定
木更津南支線 木更津南JCT〜木更津南IC(上下線) 未定
圏央道 稲敷IC(茨城県)〜大栄JCT 22日0時15分に解除済み

高速道路は午前中から順次解除が進んでおり、SNSでの口コミでは昼前後に館山自動車道の蘇我IC〜木更津北IC間が通れるようになったという報告が出ています。解除の順序と時刻は公式発表が正なので、出発前にNEXCO東日本の交通情報で直接確かめてください。

県が管理する道路の全面通行止めは111区間です。内訳は路面冠水47区間(うちアンダーパス3か所)、法面崩落40区間、路肩崩落6区間、倒木等19区間で、これとは別に異常気象時の事前通行止めが16区間あります。片側交互通行も9区間です。

このうち国道の全面通行止めは次の箇所です。

路線 場所 理由
国道296号 佐倉市田町/佐倉市臼井台(2か所)/佐倉市鏑木/匝瑳市八日市場ホ 冠水
国道409号 成田市並木町/八街市文違 冠水
国道409号 市原市西国吉 法面崩落
国道409号 長南町笠森 倒木
国道409号 袖ケ浦市林 その他
国道464号 印西市若萩〜白井市谷田/成田市台方 冠水
国道464号 白井市復 路肩崩落
国道128号 茂原市茂原 その他
国道410号 南房総市千倉町白間津 冠水
国道410号 南房総市石堂 倒木
国道465号 君津市植畑/君津市二入 法面崩落
国道465号 君津市東粟倉〜東日笠 倒木

事前通行止めには国道465号(大多喜町小田代〜君津市黄和田畑)、国道410号(君津市辻森〜大坂)、国道128号旧道(勝浦市大沢)が含まれます。

迂回路として使われやすい道も、同時に塞がっています。春に桜と紅葉で知られる「もみじロード」こと県道182号上畑湊線は富津市志駒で法面が崩れ、鴨川市金束と平塚では県道88号富津館山線が3か所で止まりました。高速が館山道1本しかない房総半島で、内陸を南北・東西に抜ける県道がまとまって使えなくなっている状態です。SNSでの口コミには、館山から木更津へ戻るのに君津方面で土砂に阻まれ、鴨川・勝浦・いすみ・九十九里・大網を回って半島をほぼ一周したという投稿もありました。

死者3人、行方不明2人、床上浸水は佐倉市だけで300棟

県の被害情報第4報(9月22日11時発表、人的被害・住家被害は暫定値)では次の数字が出ています。

項目 内訳
死者 3人 鴨川市1人、袖ケ浦市1人、山武市1人
行方不明 2人 鴨川市2人
重傷 2人 茂原市1人、鴨川市1人
軽傷 16人 長柄町6人、鴨川市5人、市川市・八千代市・君津市・袖ケ浦市・八街市各1人
全壊 18棟 鴨川市11棟、千葉市3棟、八街市2棟、佐倉市1棟、袖ケ浦市1棟
半壊 5棟 長南町3棟、館山市1棟、佐倉市1棟
床上浸水 325棟 佐倉市300棟、千葉市6棟、鎌ケ谷市5棟ほか
床下浸水 54棟 市川市18棟、習志野市8棟ほか

死者3人と重傷者2人はいずれも土砂崩れによるものです。鴨川市小湊と山武市森では家屋が土砂に巻き込まれ、袖ケ浦市川原井では道路の復旧作業中の重機ごと崩れた土砂に巻き込まれて5メートル下の河川に転落しています。行方不明の2人も鴨川市小湊と西町で家屋倒壊に巻き込まれたとみられ、救助が続いています。千葉日報によると鴨川市の住宅被害は小湊で6棟、西町で4棟。県は9月22日7時30分、陸上自衛隊第1師団長に災害派遣を要請しました。

佐倉の水が引くまでには時間がかかる

床上浸水の9割以上が佐倉市に集中しました。県土整備部の集計で氾濫が発生したのは小糸川(君津市中島)、高崎川(佐倉市鏑木橋)、養老川(市原市養老の高滝ダムから東京湾まで)の3河川です。越水した河川はこれに鹿島川・北印旛沼・作田川を加えた5河川で、報道やSNSでは「高崎川と鹿島川のダブル氾濫」と語られていますが、県が氾濫発生(警戒レベル5)として扱っているのは高崎川のほうです。氾濫危険情報が出た河川は18河川21観測局にのぼりました。市原市の高滝ダムは、22日1時20分に緊急放流の中止が決まっています。

SNSでの口コミでは、JR佐倉駅前のロータリーから佐倉城址公園前まで水に浸かった範囲の広さ、マンホールから水が噴き出して排水が追いつかない様子が伝えられています。「佐倉駅南口周辺や大崎台は冠水していないが、坂道の至るところから湧水が止まらない」という、雨がやんだあとも水が出続けている状況を伝える声もありました。高崎川と鹿島川はどちらも印旛沼に注ぐ川で、沼の水位が下がらないと市街地の水も引かないという指摘が地元から出ています。水が残っている間は、乗り入れた車のエンジンをかけない、濁った水の中を歩かないといった基本を守るしかありません。

19日から22日で400mmを超えた地点が多く、観測史上最大を更新

銚子地方気象台が本部会議で示した48時間降水量(9月19日〜22日の期間最大値)では、県内の多くの観測点が観測史上最大を記録しました。

地点 48時間降水量 9月の1か月平年値に対する比 備考
大多喜(大多喜町) 489.0mm 175% 観測史上最大
牛久(市原市) 487.0mm 205% 観測史上最大
坂畑(君津市) 477.0mm 189% 観測史上最大
茂原 465.0mm 203% 観測史上最大
館山 433.0mm 195% 観測史上最大
千葉(中央区) 419.0mm 205% 観測史上最大
鋸南町 417.0mm 203% 9月の1位以上
木更津 400.5mm 175% 観測史上最大
船橋 394.0mm 208% 観測史上最大
勝浦 386.0mm 157% 観測史上最大
佐倉 377.5mm 183% 観測史上最大
鴨川 371.0mm 173% 観測史上最大
我孫子 328.0mm 155% 観測史上最大
成田 327.0mm 168% 観測史上最大

船橋は9月1か月ぶんの平年値の2.08倍、千葉市と市原市の牛久も2倍を超える雨が、2日あまりで降ったことになります。8月の千葉豪雨で堤防が傷んだ千葉市と八千代市では、大雨に関する警報の発表基準(流域雨量指数基準)を通常より引き下げた暫定基準での運用が続いています。

停電は約4万7,860軒、断水は3市町で継続

停電は9月22日11時時点で約4万7,860軒です。NHKが伝えた9時時点の約4万9,230戸からは少しずつ減っていますが、復旧のペースは速くありません。軒数が多いのは市原市約7,430軒、木更津市約6,820軒、君津市約4,820軒、千葉市緑区約4,620軒、袖ケ浦市約3,120軒、茂原市約2,910軒、勝浦市約2,710軒、鴨川市約2,540軒で、房総半島の内陸と南部に集中しています。

停電している地域では信号機も消えています。SNSでの口コミには、茂原市から大網方面にかけて信号が動かないまま他県ナンバーの車が迂回路を探して走っているという投稿がありました。信号が消えた交差点は一時停止して左右を確認してから進むのが原則で、警察官の手信号があればそちらが優先です。

断水は道路崩落に伴う水道管の破損によるもので、次の3地区で続いています。

地区 戸数 応急給水
君津市東日笠配水区(植畑、東日笠、西日笠、二入、辻森、大岩、正木、奥米、宿原、怒田沢、旅名、豊英) 約650戸(21日23時から) 清和小学校で22日9時から実施中。自然休養村管理センターと三島神社入り口は道路が通れず、通行可能になり次第
南房総市千倉町 約90戸 給水車4台(千倉こども園2台、高家神社駐車場2台)。朝夷行政センターで飲料用ペットボトルを配布
長柄町山之郷地区 約20戸(21日22時から) 給水車で対応。22日から応急復旧工事を開始予定

千葉市緑区越智町の断水は、系統を切り替えて洗浄したことで22日4時頃に全戸解消しています。君津市と南房総市はいずれも復旧方法を検討中の段階で、解消時期は示されていません。

避難所と、帰宅できなかった人の一時滞在施設

避難所は9月22日7時時点で県内に開設が続いています。避難者が多いのは市原市248人(12か所)、茂原市180人(11か所)、大網白里市63人(8か所)、千葉市49人(40か所)で、成田市29人、東金市35人、匝瑳市25人などが続きます。柏市・流山市・市川市・船橋市・習志野市・白井市・富里市などは22日朝までに閉鎖しました。

21日夜は鉄道が止まって帰宅できない人のために、千葉駅(県庁本庁舎、千葉市生涯学習センター)、千葉みなと駅(千葉市役所市民ヴォイド)、蘇我駅(蘇我コミュニティセンター)の4施設が18時30分から開設されました。滞在者は22日0時に99人まで増え、7時30分時点で29人。この4施設は22日12時にすべて閉鎖しています。

災害救助法は24市町村、電話相談は20時まで

県は9月20日付で24市町村に災害救助法を適用しました。対象は銚子市、木更津市、野田市、成田市、旭市、勝浦市、流山市、鴨川市、君津市、富津市、袖ケ浦市、南房総市、匝瑳市、香取市、いすみ市、栄町、神崎町、横芝光町、睦沢町、長生村、長南町、大多喜町、御宿町、鋸南町です。

8月の千葉豪雨で適用済みだった24市町(市川市、船橋市、館山市、松戸市、茂原市、佐倉市、東金市、習志野市、柏市、市原市、八千代市、我孫子市、鎌ケ谷市、四街道市、八街市、印西市、白井市、富里市、山武市、大網白里市、酒々井町、九十九里町、白子町、長柄町)は、今回の災害でも継続して適用されます。千葉市は市が直接災害救助を実施します。8月に適用された市町が今回あらためて名前を挙げられていないのは、適用が外れたからではありません。

災害情報の問い合わせ先として、県が電話相談窓口を設けています。避難情報、ライフラインや鉄道・道路の状況、被害の概要、気象情報に対応します。

  • 電話:043-223-2249 / 043-223-2250(県報道広報課 広聴室)
  • 受付:9月22日以降は午前9時から午後8時まで

外国語の相談は、千葉県国際交流センター内に立ち上がった災害時多言語支援センターが受け付けています。

23日以降の天気と、残っている警戒

2026年9月22日9時の実況天気図。台風25号は日本の東に抜けている
9月22日9時の実況天気図。台風25号(970hPa)は日本の東を時速50kmで北東へ進んでいる(出典:気象庁)

土砂災害の危険警報(レベル4)は、9月22日11時43分に県内全域で解除されました。午前10時25分の時点では袖ケ浦市と大多喜町だけに残っていたものが、そこからさらに下がった形です。ただし大雨警報・注意報は継続していて、北西部と南部には低い土地の浸水への警戒が呼びかけられています。山沿いの斜面は大量の水を含んだままなので、これから雨が降らなくても崩れることがあります。

銚子地方気象台の見通しでは、9月23日は気圧の谷や湿った空気の影響で曇り、降水確率は北西部・北東部・南部とも10%です。24日から25日にかけては高気圧に覆われて晴れまたは曇り、26日から28日は前線が本州付近を南下するため曇りまたは雨に転じる見通しです。地面が水を含んだ状態で次の雨が来るのは26日以降ということになります。

太平洋沿岸では22日夜遅くにかけて、うねりを伴った高波が続きます。九十九里から外房、南房総の海岸へ行く予定があるなら、22日いっぱいは波打ち際に近づかないほうが無難です。22日の日中は千葉・館山で32度の予想で、片付け作業をするなら熱中症のほうが先に効いてきます。

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