Event Overview
大多喜町三条の浄宗寺(曼珠沙華寺)は例年9月中旬から下旬に千株以上の彼岸花が咲く。名の由来は江戸から来た旅人の霊を慰めた民話。2026年は小湊鐵道が9月1日〜10月8日運休、いすみ鉄道も2027年秋まで全線運休で鉄道が使えない。駐車は徒歩4分の万葉ロード駐車場(約20台・トイレなし)。
- 2026/9/11 - 2026/9/30
- 浄宗寺(曼珠沙華寺)
- 拝観料の案内なし

大多喜町三条の浄宗寺は、彼岸花の寺として「曼珠沙華寺」と呼ばれている。見頃は例年9月中旬から下旬。ただし2026年は行き方に大きな制約があり、いつ行くかより「どう行くか」を先に決めたほうがいい。
開催概要
| 名称 | 浄宗寺(通称:曼珠沙華寺)の彼岸花 |
|---|---|
| 見頃 | 例年9月中旬〜下旬。大多喜町のロケーション誘致サイトは「秋分の日から9月末頃」とする |
| 場所 | 浄宗寺(千葉県夷隅郡大多喜町三条) 日蓮宗 |
| 規模 | 千株以上(大多喜町ロケーションサービスの記載)。赤と白の両方が咲く |
| 料金 | 拝観料の案内なし |
| 駐車場 | 万葉ロード駐車場(約20台・徒歩約4分)。トイレなし |
| アクセス | 圏央道 市原鶴舞ICから約20km。鉄道は下記のとおり2026年は事実上使えない |
| 問い合わせ | 大多喜町観光協会 0470-80-1146 |
2026年の見頃に、この一帯を走る列車は1本もない

千葉県の観光サイトは最寄りを「小湊鉄道 上総中野駅から徒歩約18分」と案内している。だが2026年9月にこの経路は成立しない。小湊鐵道の養老渓谷〜上総中野間は、公式サイトが9月1日から10月8日までを運休日と告知している。彼岸花の見頃がすっぽり入る期間だ。
もう一方のいすみ鉄道も、国吉〜上総中川間の脱線事故の影響で全線が運転見合わせ中で、復旧見込みは2027年秋頃。現在は列車代行バスが走っている。つまり浄宗寺のそばまで鉄道で行く手段は、2026年秋には残っていない。
代行バスで行くなら、土日祝は下り3便・上り4便
いすみ鉄道の代行バス(2026年4月1日改正)で、土日祝に大多喜から上総中野方面へ行けるのは3便だけだ。大多喜発11時10分(西畑11時35分・上総中野11時39分)、13時23分(13時50分・13時55分)、17時45分(18時12分・18時17分)。帰りは上総中野発7時00分、12時00分、14時10分、18時30分の4便で、西畑にはそれぞれ3分後に着く。
これとは別に小湊バスの路線バスが大多喜〜上総中野を走っており、代行バスの時刻表にも併用が案内されている。土日祝の下りは大多喜発8時40分・9時48分・12時15分・14時21分・17時17分、上りは上総中野発7時33分・10時48分・13時16分・15時36分・16時26分・18時39分。ただし路線バスは運賃が別途かかる。町の予約制乗り合いバス「おたっクル」は対象地区の住民向けで、観光客は使えない。
駐車場は境内になく、徒歩4分の万葉ロード駐車場へ
ここは情報が食い違っている。千葉県の観光サイトには「駐車場:有り(無料)」とあるが、大多喜町のロケーション誘致公式サイトは浄宗寺について「敷地内に駐車場なし。万葉ロード駐車場(徒歩約4分)に駐車をお願いします」と明記している。町の側の案内に従うのが安全だ。
万葉ロード駐車場は同じ大多喜町三条にあり、収容は約20台。トイレはない。市原鶴舞ICからは国道297号を13.5km進み、八声交差点を右折して国道465号へ、約6km先で小湊方面へ左折して800mほどの左手だ。登山口情報の案内では道中に通行困難な箇所はないとされている。境内やその周辺のトイレの有無は公表されていない。来る途中で済ませておくほうが安全だ。
「曼珠沙華寺」の名は、江戸から来た旅人の霊に由来する
寺の通称のもとになった民話が、千葉県公式の「語り継ごう千葉の民話・民謡・童謡」に採録されている。舞台は三条の里。秋の夜、住職の前に旅人の霊が現れ、「江戸の私の家のまわりには曼珠沙華が咲いておりました」と語る。旅人はこの地で命を落とし、村人に葬られていた。翌日、住職は傾いた墓石を直して花を供え、経をあげ、霊を慰めるために境内へ曼珠沙華の球根を植えた。住職の死後も里人が球根を植え続け、花は年ごとに増えて、浄宗寺は曼珠沙華寺と呼ばれるようになった、という筋だ。
町のロケーション誘致サイトは、この寺にもう一つ「呼び戻しの鐘」の話が伝わるとしている。江戸時代、故郷に帰らない出稼ぎ人の息子が鐘の音を聞いて懐かしくなり戻ってきた、という民話だ。花を見に行くだけの場所ではない。
猛暑の年は開花が遅れる。彼岸に咲くとは限らない
「彼岸花」という名前から秋分の日に合わせて行く人が多いが、開花はかなり動く。日本植物生理学会の解説によると、ヒガンバナの花芽形成は地温10〜30℃で可能で、適温は20℃前後。適温より高い気温が続くと花芽の形成と発達が遅くなり、開花も遅れることが多いという。気象庁の生物季節観測でも開花日が遅くなる傾向がうかがえ、温暖化が続けば開花時期はさらに遅くなると予想されている。
査読論文でも同じ方向の結果が出ている。井上智晴・永井信「気温変化が開花観光に与える影響」(日本生気象学会雑誌、2015年)は、ヒガンバナの開花日が8月下旬および9月上旬の気温と正の相関を持つことを示している。夏の終わりが暑い年ほど遅れるということだ。

千葉県の観光サイトも「開花の時期は気候によって前後することがあるため、訪問の際は事前の情報確認がおすすめ」と添えている。2026年分の開花状況は8月上旬時点で発表されていないので、大多喜町観光協会の「お花情報」を見てから日を決めるのが確実だ。
境内は生活と祈りの場。撮る前に足元を見る
浄宗寺は観光施設ではなく、日蓮宗の寺だ。訪問記によると花は境内の外周を囲むように咲き、隣には八幡神社があり、表参道や井戸も残る。民話の核が旅人の墓石であることからも分かるとおり、墓地に近い場所での撮影になる。株の量は年によって変わり、2024年に訪れた人は2021年より広がりに欠けたと書いている。三脚を立てる前に、参道をふさいでいないか、墓所に踏み込んでいないかを見てほしい。
大多喜城は休館中。お城まつりとは時期がずれる
近くと組み合わせるなら、現状を知っておく必要がある。大多喜城(千葉県立中央博物館大多喜城分館)は令和3年12月27日から施設改修で休館しており、2026年8月時点でも休館が続いている。建物内には入れないが、敷地内への立ち入りは可能で、隣接する研修館で展示があり、敷地内から天守の外観を撮ることはできる。町の文書によると再開は令和11年度中の見込みで、県から大多喜町への移譲も決まっている。
第52回大多喜お城まつりは2026年10月11日(日)で、彼岸花の見頃とは重ならない。一方、夷隅のふうど満喫スタンプラリーは6月15日から10月12日までなので、彼岸花の時期に回れる。養老渓谷とセットにしたい場合は、前述のとおり9月1日から10月8日は小湊鐵道が動かないため、車で移動する前提になる。
まとめ
浄宗寺(曼珠沙華寺)の彼岸花は例年9月中旬から下旬が見頃で、境内の周囲に千株以上の赤と白が咲く。拝観料の案内はない。名前の由来は、江戸から来た旅人の霊を慰めるために住職が球根を植えたという千葉県公式の民話だ。2026年は小湊鐵道の養老渓谷〜上総中野が9月1日から10月8日まで運休、いすみ鉄道も2027年秋まで全線運休中で、鉄道で近づく手段がない。車なら市原鶴舞ICから約20km、駐車は徒歩4分の万葉ロード駐車場(約20台・トイレなし)へ。開花は8月下旬から9月上旬の気温が高い年ほど遅れるため、出かける前に大多喜町観光協会の花情報を確認したい。
秋の千葉の花と星を見に行くなら
同じ9月なら【香取】与田浦コスモスまつり2026は9月12日〜10月12日、300万本と鹿島線の高架が見頃を迎える。外房まで足を延ばすなら【いすみ】第9回いすみイセエビまつり2026は8月9日〜10月25日の毎週日曜もある。
- 開催期間
- 2026/9/11 - 2026/9/30
- 開催場所
- 浄宗寺(曼珠沙華寺)
- 住所
- 千葉県夷隅郡大多喜町三条187
- 主催者
- 問い合わせ:大多喜町観光協会 0470-80-1146
- 料金
- 拝観料の案内なし
- 状態
- 開催予定