【富津】吾妻神社の馬だし祭り2026は9月20日、神馬が砂浜を走るのは1回だけ|市公式は令和7年の日程のまま

岩瀬海岸の砂浜を走る神馬。白い御幣を背に立てた馬の手綱を、白装束の若衆2人が両脇から取って並走している

Event Overview

吾妻神社の馬だし祭りは敬老の日の前日の日曜に行われる。2026年は9月20日にあたる。富津市の公式ページは令和7年の日程のままだ。岩瀬海岸を走るのは神馬と副神馬だが、神馬の疾走は1回だけ。祭りは朝3時に始まり、神輿の還御が終わるのは夜9時を回る。

  • 2026/9/20 14:00 - 2026/9/20 21:20
  • 吾妻神社・岩瀬海岸
  • 無料
岩瀬海岸の砂浜を走る神馬。白い御幣を背に立てた馬の口を、白装束の若衆2人が両側から取って並走している
岩瀬海岸を走る神馬。二人の若衆が馬の口を取って並走する(出典:富津市公式サイト「吾妻神社の馬だし祭り」)

富津市の岩瀬海岸で、白装束の若い衆が馬の口を取って砂浜を走る。吾妻神社の馬だし祭りだ。平成29年3月7日に千葉県の無形民俗文化財に指定されている。ただ、この祭りには見物人が知らないと損をする点が二つある。ひとつは日程で、市の公式ページに出ている日付をそのまま信じると1週間ずれる。もうひとつは、いちばんの見どころである神馬の疾走が1回しかないことだ。

目次

開催概要

名称 吾妻神社の馬だし祭り(吾妻神社例大祭)
日程 2026年9月20日(日)※敬老の日の前日の日曜。当年の公式発表は8月上旬時点で未掲載
時間 馬出しは14時台〜15時30分ごろ。祭り全体は3時〜21時20分ごろ
会場 吾妻神社(千葉県富津市西大和田98)〜岩瀬海岸(旧称・白州の浜)
料金 無料
文化財指定 平成29年3月7日、千葉県指定無形民俗文化財
参加地区 西大和田区(宮元)・絹区・中区・岩瀬区。氏子圏はもと吉野郷の旧7か村(上・近藤・八田沼・絹・西大和田・中・岩瀬)
駐車場 専用駐車場の公式案内なし。現地では地元の指示に従う
問い合わせ 富津市商工観光課 0439-80-1291/富津市生涯学習課文化係 0439-80-1342

日程は「敬老の日の前日の日曜」。だから2026年は9月20日

この祭りの日取りは日付固定ではない。もともとの例祭日は9月17日で、いまは敬老の日の前日の日曜に行われる。2025年は敬老の日が9月15日(月)で、祭りは前日の9月14日(日)だった。2026年の敬老の日は9月21日(月)なので、前日の日曜は9月20日になる。交通情報サイトの掲載日も9月20日で一致している。

やっかいなのは富津市の公式ページで、8月上旬の時点でも「令和7年9月14日(日曜日)予定」という前年の記載が残ったままだ。検索して最初に出てくるのがこのページなので、9月14日と読んで出かけると1週間早い。市の商工観光課(0439-80-1291)に確かめてから予定を組んでほしい。ここに書いた日付も、例年の決め方から導いたものにすぎない。

神馬が走るのは1回だけ。副神馬は数回走る

砂浜に出るのは1頭ではない。神霊を乗せた神馬(オメシ)と、他地区が出す副神馬が走る。副神馬には「ダシウマ」「キャクウマ」「トメウマ」という呼び名があり、トメウマはすべての奉納の最後を走る馬を指す。役馬はいずれも雄だ。

ここが肝心なところで、富津市が配布しているコースマップには「神馬の疾走は1回、続いて副神馬の疾走が行われ」と書かれている。江戸川大学の調査報告も「神馬は1度だけ疾走。副神馬数回疾走」と記録している。神馬は1本勝負なのだ。海岸に着くのが遅れると、目当ての場面だけが終わっている。

走り方も独特で、乗るのではない。「二人の青年が馬の口を持ち、馬の両側にしがみついて疾走する」とマップは説明している。人が馬に並走してついていく形だ。神馬の背には純白の布団を何枚も重ね、幣束(オンベ)を一対立てる。副神馬は友禅模様の布団に、神馬より小さい幣束を2本立てる。写真で御幣の大きさを見れば、どちらが神馬か分かる。

当日の流れ。朝3時に始まり、終わるのは夜9時すぎ

吾妻神社例大祭・馬出し祭のコースマップ。吾妻神社から岩瀬海岸までの神馬・神輿・獅子舞の経路と、各地点の通過時刻や仁義引き渡しの場所が手描きで示されている
富津市が公開している吾妻神社例大祭「馬出し祭」のコースマップ(2019年版)。神馬・神輿・獅子舞の経路と、仁義引き渡しの地点・時刻が記されている(出典:富津市公式サイト)

時刻はマップと調査報告で少しずつ違う。年によっても動く。以下は目安として見てほしい。

時刻 できごと
3:00 神馬の馬役が岩瀬海岸へ。海中から二枚貝と黒い石を拾い、貝に石を入れて身につける
5:00 岩瀬海岸で神馬を海水で清め、装束を飾り付ける
6:30〜8:00 雌雄の獅子舞が宝幢寺から吾妻神社まで、参道の穢れを祓って進む
8:15 神馬が岩瀬会館を出発
9:15 神馬が吾妻神社の石段を駆け上がる
9:20〜9:30 オブリ神事。青竹に吊るしたイナダを担ぎ上げ、神輿に飾り付ける
9:45 神輿が吾妻神社を出発
10:40/12:00/13:05 鳥居先・中村橋・長西山で仁義引き渡し(宮元→絹→中→岩瀬)
14:00〜15:30 岩瀬海岸で馬出し。神馬1回、副神馬数回
15:30〜16:30 神輿が海に入る御浜出。そのあと神輿洗い
18:30〜20:30 提灯を掲げての還御。石灯籠と神社がライトアップされる
21:20ごろ 手打ちで解散

出典は富津市が公開している祭礼コースマップ(2019年版)と、江戸川大学の高橋克准教授による「東京湾岸祭礼報告」。市の公式ページは「馬だし神事は午後2時15分から(予定)」としており、コースマップの14時開始とは15分の差がある。13時台には海岸に入っておくのが安全だ。

白旗神社の前だけ、声を出さずに通る

コースマップの中ほどに「ダンマリ神さま」という囲みがある。岩瀬地区の白旗神社の前では、祭りの掛け声も笛も太鼓も止めて静かに通り過ぎる決まりだという。昔、風雨の激しいなかこの地点で大いに気勢を上げたところ大山が崩れ、多数の犠牲者が出た。以来ここを通るときは声を立てない、と伝わる。

祭りの見物というと賑やかな場面ばかり探しがちだが、神輿が急に静かになる区間があると知っていれば、その一瞬を見に行くこともできる。地元の人にとっては、これも祭りの一部だ。

神輿は海に入る。対岸の走水では提灯を望んで拝む

馬出しが終わると、今度は神輿が海に入る。御浜出(御浜下り)といって、神輿ごと海水に浸けて清める。江戸川大学の報告によれば16時13分に海に入り、16時50分に浜へ上がる。神輿は海に正面を向けたまま後ろ向きに進んで祭場の中央に安置され、神輿洗いが行われる。

そのあとの還御が、この祭りのもうひとつの見どころだ。日が落ちてから、氏子が各家の名入り提灯を持って神輿の足下を照らしながら神社へ戻る。同じ報告には、東京湾を挟んだ対岸の横須賀市走水神社(祭神も弟橘姫)の氏子が、海岸に出てこの提灯の列を望み「上総の吾妻様がお立ち帰り」といって遙拝する習わしがあったと記されている。海の向こうから見られている祭りなのだ。

弟橘媛の櫛をくわえた馬という言い伝え

由来は日本武尊の東征にさかのぼる。走水から上総へ渡ろうとしたとき海が荒れ、弟橘媛が身を投げて海を鎮めた。その櫛が岩瀬の海岸に漂着し、どこからともなく現れた馬がそれをくわえて吾妻山に駆け上がったと伝えられる。馬の背に櫛を載せて山に祀ったのが吾妻神社の起こりとされ、だから祭りに馬が欠かせないのだという。

馬出しのあと、馬役と氏子は直径1メートル、深さ1メートルほどの穴を掘り、神馬の背の幣束を埋める。宮司が祝詞を上げ、塩・米・酒を順に撒く。このとき、明け方に馬役が海から拾った貝入りの石を、人に気づかれないよう穴に入れる。櫛が流れ着いた場所に、また海のものを返す形になっている。

大貫駅から歩ける。駐車場の公式案内はない

電車ならJR内房線の大貫駅が最寄りになる。岩瀬海岸までは徒歩約10分、吾妻神社までは徒歩約30分と市が案内している。午後の馬出しだけを目当てにするなら、駅から海岸へ直行するのが最短だ。

車の場合、館山自動車道の富津中央ICから国道127号を君津方面へ、県道287号を大貫駅方面へ約10分。岩瀬海岸へは国道127号と465号経由で約10分となっている。ただし来場者向けの駐車場について、公式には「地元の人の指示に従うこと」としか書かれていない。台数も場所も公表がないので、車なら早めに着いて誘導に従う前提で動くこと。神輿と神馬が通る道は当日ふさがる。

SNSの口コミはほとんど流通していない

この祭りは知名度のわりに、SNSでの口コミがほぼ見当たらない。祭り情報サイトの告知が流れている程度で、当年・前年とも混雑や場所取りの実感を語る投稿は確認できなかった。屋台の出店や有料席についても、公式・非公式を問わず記載が見つからない。飲み物と日よけは自分で用意していったほうがいい。9月とはいえ午後の砂浜は暑い。

代わりに参考になるのが、富津市の広報が出した前回の現地レポートだ。「詰めかけた観客から大きな歓声が上がりました」とあり、海岸には人が集まる。ただし大きな花火大会のような人出を想定する必要はなさそうだ。馬が走るコース際には誘導が入るので、係の指示から離れない位置で見ること。

まとめ

吾妻神社の馬だし祭りは敬老の日の前日の日曜に行われ、2026年は9月20日(日)にあたる。富津市の公式ページは令和7年9月14日の記載のままなので、出かける前に市の商工観光課で当年の日程を確かめること。馬出しは岩瀬海岸で14時台から15時30分ごろまでだが、神馬が走るのは1回だけ。13時台には海岸に入っておきたい。祭りそのものは朝3時の禊から夜9時すぎの手打ちまで続き、途中に獅子舞、オブリ神事、4区の仁義引き渡し、神輿の御浜出、提灯の還御が並ぶ。最寄りはJR内房線大貫駅で、岩瀬海岸まで徒歩約10分。専用駐車場の案内はないので、電車のほうが確実だ。

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イベント情報
開催期間
2026/9/20 14:00 - 2026/9/20 21:20
住所
千葉県富津市西大和田98
主催者
吾妻神社(西大和田・絹・中・岩瀬の4区)/富津市役所建設経済部商工観光課(0439-80-1291)
料金
無料
状態
開催予定
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