Event Overview
葛飾八幡宮の農具市(八幡さまのボロ市)は例年9月15日の例大祭から20日までの6日間。2026年分の告知は8月上旬時点で出ておらず、日程は社務所(047-332-4488)で要確認。過去の来訪記では午前中はまだ設営中で、賑わうのは夕方以降。昭和5年には参道と国道沿いに923店が並んだ記録が残る。
- 葛飾八幡宮
- 参拝無料(露店は実費)

市川市の葛飾八幡宮では、毎年9月15日の例大祭に合わせて20日まで農具市が立つ。「八幡さまのボロ市」と呼ばれてきた市で、鍬などの農具や刃物、包丁研ぎの店が門前に並ぶ。ただ、2026年分の個別の告知は、8月上旬の時点で神社にも市にも観光協会にも出ていない。日付が固定された行事なのか、今年も同じように立つのか。分かっていることを整理しておく。
まず、2026年の告知はどこにも出ていない
神社の公式サイトには行事カレンダーやお知らせの欄そのものがなく、御祭神の紹介ページに「毎年9月15日のご例祭日より20日まで、広大な境内で催される農具市(通称ぼろ市)」と恒例の記述があるだけで、年号は書かれていない。市川市の公式サイトも神社のパンフレットを引用した御祭儀の一覧に「9月15日 午前10時 例大祭(20日まで農具市)」と載せているが、これも2026年の告知ではない。市川市観光協会は常設のスポット紹介のみ、千葉県の観光サイトの該当ページは消えている。
地元メディアも同じ状況で、市川の情報サイトが3月に出した2026年の定番イベントまとめには、農具市について「2026年開催日までは確認できませんでした」と書かれている。神社の公式SNSアカウントも見つけられなかった。日程を確かめるなら社務所(047-332-4488、9時〜16時)に電話するのが確実だ。
日付固定の行事ではある
| 行事 | 葛飾八幡宮 例大祭・農具市(八幡さまのボロ市) |
|---|---|
| 例年の日程 | 例大祭 9月15日 午前10時/農具市は20日まで ※2026年分の告知は2026年8月上旬時点で出ていない |
| 会場 | 葛飾八幡宮(市川市八幡4-2-1)の境内・参道 |
| 並ぶもの | 農具、刃物、包丁・農具の研ぎ、日用品、花・植木、飲食の露店ほか |
| アクセス | 京成本線 京成八幡駅から徒歩5分/JR総武線・都営新宿線 本八幡駅から徒歩10分 |
| 駐車場 | 有料26台(開催期間中に使えるかは公表されていない) |
| 問い合わせ | 葛飾八幡宮 047-332-4488(社務時間 9:00〜16:00) |
この市は曜日でなく日付で動く。2019年と2020年は9月15日からの6日間、2023年は9月15日(金)から20日(水)、2024年は9月15日(日)から20日(金)に開かれた記録がある。2025年の実施報は見つからなかった。2026年の9月15日は火曜、20日は日曜にあたる。平日から始まって最終日が日曜に来る並びだ。なお露店の開始・終了時刻は公表されておらず、現在何店が出るのかという数字も公表資料にはない。
昭和5年、この市には923の露店が出ていた

この市の規模を伝える資料で群を抜いているのが、民俗学者・本山桂川が昭和5年(1930年)に行った実地調査だ。日本民俗学会『民俗研究』第22輯(昭和5年11月)の「下総・八幡市」という報告で、露店を一軒ずつ数えて見取り図に落としている。
それによると、社殿前から二の鳥居までの縁日の露店が269店。うち半数ほどが飲食だった。さらに踏切から一の鳥居を経て真間川までの国道の両側に654店が並び、内訳は衣類249店、生活用品223店。合わせて900店を超える。参道の中だけでなく、街道沿いが商店の帯になっていたことが分かる。
臼のような大きな買い物を馬車に積んで運ぶ人もいたという。市川市の公式サイトには、昔は見世物小屋やサーカスも出たという記述もある。市の始まりは寛延年間(1748〜1751年)ごろとされ、文化7年(1810年)刊の『葛飾誌略』には旧暦8月の祭礼に合わせて古着や小間物が売られたとある。古着、つまり「ボロ」を売る市だったことが通称の由来だ。農具の市として今の形になったのは大正時代から。神社は「かつて関東三大農具市のひとつ」と紹介し、市川市に載る神社のパンフレットは「農具市の盛況さは、古来より関東一」と書いている。
いまも残るのは、包丁研ぎと農具
現在の市は飲食の露店が多くを占め、金魚すくいのような縁日の店も出る。2024年に現地を伝えた地域メディアの記事にも金魚すくいが写っていた。市川の情報サイトが2019年に書いたところでは、「農具自体の出店店舗数は現在は減少して、昔に比べると、非常に少なくなっているそうです」。923店を数えた昭和5年から、農具を売る店は数えるほどになった。
それでも芯は残っている。2017年と2018年に続けて訪ねた市川の個人ブログには、「毎年来ている植木屋さんや工具屋さん、刃物屋さん、木材具の店(俎板や臼)が今年も出店。農具市な雰囲気を味わえました」とある。俎板や臼を売る店が毎年出るというのは、いまどきそう見かけない。祭りの紹介サイトによると、この市のときに包丁を研いでもらう常連もいるという。家庭菜園や日曜大工の道具を見に行く、という目的で足を運ぶ人がいる市だ。
行くなら夕方以降。午前中はまだ設営中のことがある
露店の営業時間は公表されていないが、実際に通った人の記録がヒントになる。前述の個人ブログは2018年に「午前10時前に行ったので、まだお店の設営中。境内も巫女さんたちが掃除をしていました」と書いている。前年の2017年には「農具市は人がぱらぱら。参拝する人も少ない」と昼間の閑散ぶりを記したうえで、こう続けていた。「農具市の本領発揮は夕方以降。平日は、結構人出が多かったと思います」。
6日間のうち平日が大半を占める並びだと、勤め帰りの時間に人が集まるということだろう。日中は店の数も人出も物足りず、夕方以降なら露店らしい賑わいがある。写真を撮るにせよ包丁を研いでもらうにせよ、日が傾いてから向かうほうがいい。2018年の記録には「本殿にお獅子が飾られていました。千本公孫樹は、まだ夏の装い」ともあり、9月半ばの境内の様子が伝わる。
「ボロ市」と名の付く別のイベントがあるので注意
検索していると必ず出てくるのが「ニューボロイチ」で、これは9月の農具市とは別物だ。いちかわ手づくり市実行委員会が主催するハンドメイドと飲食のマルシェで、同じ参道を会場に偶数月の第2土曜を基本に開かれている。昔からの「ボロ市」に対して「ニュー」を冠した名前だ。2026年8月8日には年に一度の夜開催「ニューヨルボロイチ」があり、10月にも予定されている。SNSで「ボロ市」を検索して出てくる投稿は、ほぼこちらのものだ。
境内で見ておきたいもの
参道の入口に立つ朱塗りの随神門は市の指定文化財で、明治の神仏分離までは別当・法漸寺の仁王門だった。仁王像は行徳の徳願寺へ移り、代わりに左大臣・右大臣の像が入ったため随神門と呼ばれる。
拝殿の脇にそびえる千本公孫樹は国の天然記念物で、推定樹齢1200年、樹高22メートル。多数の幹が寄り合った樹形のため、根回り10.2メートルに対して目通りが10.8メートルと、上のほうが太い。2026年8月にも「ただただ、その生命力と神々しい巨大さに圧倒されます」という参拝者の投稿があった。ただし黄葉の見頃は11月下旬で、9月の市のころは青葉だ。黄金色の木を期待して行くと当てが外れる。ほかに元亨元年(1321年)鋳造の梵鐘(県指定)、源頼朝の駒どめの石、小林一茶の句碑などがあり、国道14号を挟んだ向かいには八幡の藪知らずもある。
駅から近い。車は当てにしない
京成八幡駅から徒歩5分、本八幡駅から徒歩10分と、駅から近い神社だ。有料駐車場は26台あるが、期間中に使えるかどうかは公表されていない。境内と参道が露店で埋まる期間なので、車で向かうなら事前に社務所へ確認したい。8月上旬の時点で農具市に関するSNSの投稿は一件も見当たらず、告知が出るとすれば9月に入ってからだろう。
まとめ
葛飾八幡宮の農具市は、例大祭の9月15日から20日までの6日間という日付固定の行事で、神社公式にも市川市公式にもそう記されている。ただし2026年分の個別告知は8月上旬の時点で確認できず、開催日も露店の時間帯も断定できない。行く前に社務所(047-332-4488)で確かめたい。昭和5年には900店を超える露店が参道と国道沿いを埋めた市で、いまも農具・刃物・包丁研ぎの店が門前に並ぶ。過去に訪ねた人の記録では昼間は静かで、賑わうのは夕方以降だという。参道で開かれる「ニューボロイチ」とは別のイベントなので、日程を調べるときは取り違えないようにしたい。
市川のイベントをもう少し
葛飾八幡宮そのものについては【初詣におすすめ】千葉県市川市 葛飾八幡宮 – 歴史とご利益、巨大イチョウが魅力の古社で詳しく書いている。市川の夏の行事なら【2026年6月27日】市川・湊水神宮の水神祭は屋台目当てで行ける?時間とアクセスを整理もある。
- 開催場所
- 葛飾八幡宮
- 住所
- 千葉県市川市八幡4-2-1
- 主催者
- 葛飾八幡宮
- 料金
- 参拝無料(露店は実費)