【睦沢町】歴史学講座「本土防衛と風船爆弾」2026は8月9日、一宮から飛んだ和紙の気球を学ぶ(当日参加可)

曇り空に浮かぶ球形の気球と、その下に細い索で吊り下げられた装置

Event Overview

睦沢町立歴史民俗資料館が開く歴史学講座の第2回が、2026年8月9日(日)に町中央公民館で行われる。演題は「本…

  • 2026/8/9 13:30 - 2026/8/9 16:00
  • 睦沢町中央公民館
  • 広報に記載なし(睦沢町立歴史民俗資料館へ要確認)

睦沢町立歴史民俗資料館が開く歴史学講座の第2回が、2026年8月9日(日)に町中央公民館で行われる。演題は「本土防衛と風船爆弾」。太平洋戦争末期、和紙をこんにゃく糊で貼り合わせた直径10メートルの気球に爆弾を吊るしてアメリカ本土へ飛ばした「ふ号兵器」の話だ。その打ち上げ基地は全国に3か所しかなく、そのひとつが隣町の一宮海岸だった。

曇り空に浮かぶ球形の気球と、その下に細い索で吊り下げられた装置
飛行中の風船爆弾。米軍が撮影したもので、一宮海岸から放たれた個体ではない。Photo by U.S. Army / Public domain
目次

歴史学講座「本土防衛と風船爆弾」2026の開催概要

行事名 第2回歴史学講座『本土防衛と風船爆弾』〜地域に刻まれた攻防の歴史〜
開催日 2026年8月9日(日)
時間 13:30〜16:00
会場 睦沢町中央公民館(長生郡睦沢町上之郷1654-1)
講師 江澤一樹氏(館山市立博物館 学芸員)
主催・問い合わせ 睦沢町立歴史民俗資料館 0475-44-0290
参加 事前連絡が呼びかけられているが当日参加も可。参加費は広報に記載なし(資料館へ要確認)
アクセス JR外房線 茂原駅南口から小湊バス「道の駅つどいの郷むつざわ」行 約30分「睦沢中央公民館」下車すぐ
出典 広報むつざわ 2026年8月号(No.700)14ページ

事前連絡なしでも入れる。ただし参加費は書かれていない

広報むつざわ8月号の「今月のイベントガイド」には、「参加ご希望の方は、下記にご連絡ください。なお、当日の参加も可能です」と書かれている。連絡先は町立歴史民俗資料館だ。予定が直前まで立たない人でも足を運べる。

ただし参加費と定員は、広報のこの枠に数字が出てこない。同じシリーズの第1回(7月12日「災害と睦沢」)は町のサイトで参加費無料と告知されていたが、第2回については金額を示す告知が見当たらない。町のサイトにも第2回の専用ページはなく、広報8月号が唯一の告知である。行く前に資料館へ一本入れておくのが確実だ。なお第1回は今井富雄氏(睦沢町文化財審議会会長)が「災害と睦沢」を講じており、防災と歴史を交互に扱うシリーズになっている。

風船爆弾の打ち上げ基地は全国に3か所、そのひとつが一宮だった

一宮町教育委員会が公開している「風船爆弾関係資料」によれば、打ち上げ基地は千葉県の一宮、茨城県北茨城市の大津、福島県いわき市の勿来の3か所だけだった。昭和19年11月から翌年にかけて、3基地から合わせて約9,000個が放たれている。

一宮では、上総一ノ宮駅から基地へ向かって引込線が敷かれた。いまの県道一宮停車場線に沿う線である。海岸には直径10メートルを超える円形のコンクリート土台が数か所(7か所といわれる)造られ、そこから気球を上げた。

ジェット気流に乗せて太平洋を越えさせるという発想で、実際に米本土まで届いている。1945年5月にはオレゴン州の山中で、ピクニック中の民間人6人が不発弾に触れて亡くなったとされる。アメリカ本土で第二次大戦中に敵の攻撃で死んだ民間人は、この6人だけだと言われる。

ちなみに2026年は、風船爆弾があちこちで語り直されている年でもある。製造に動員された女学生だった高橋光子の小説『ぼくは風船爆弾』が映画になり、中学校で上映されたという話がSNSに流れている。作家・小林エリカの音楽朗読劇「女の子たち風船爆弾をつくる」の上映会も企画されている。8月9日の講座は、その流れの中にある催しでもある。

木の机の上に折り畳んで置かれた、薄い緑色をした和紙の大きな一枚
ふ号兵器に使われた気球紙(和紙)の実物。ラベルに埼玉県小川町製とある。一宮町教育委員会が所蔵する破片とは別の資料。Photo by 海獺 / CC BY-SA 4.0

こんにゃく糊を食べないよう、球皮に色をつけた

一宮町教委が所蔵する資料のひとつに「風船爆弾球皮の破片」がある。2009年に寄贈されたものだ。気球の本体は和紙を何枚も重ねてこんにゃく糊で貼り合わせて作られたが、この破片は紫がかっている。教委の解説はその理由をこう説明する——戦時中の食糧難のなか、作業する人がこんにゃく糊を食べてしまわないよう、食欲がわかない色をつけたといわれている、と。

基地の破片は、庭石になって地域に残っていた

もうひとつの所蔵資料が「打ち上げ基地土台破片」で、2019年12月の寄贈である。教委の解説はこう書く。戦後、基地は破壊されてしまったが、コンクリートは貴重であったため、破片を地域住民がそれぞれ持ち帰った。この破片はその一部で、庭石として使われていた——。

基地が消えたあと、その一部は庭石という形に姿を変えて、地域の家々に散らばっていたということになる。それが70年以上たってから教育委員会の手元に戻ってきた。跡地に何も残らなかったという話と、破片が生活のなかに残り続けたという話は、両方が本当なのだろう。

基地跡に遺構はない。石碑と看板が立つだけ

一宮海岸の基地跡へ行っても、当時の構造物は何も見られない。教育委員会が設置した説明板には、戦後に基地が破壊されたため現在は当時の面影が残されていない、と書かれている。教委の資料も「現在、石碑と看板が立てられています」という書き方をしていて、そこにあるのは記念の石碑と説明の看板である。場所は一宮町一宮6-35のあたりで、実際の基地はその道を挟んだ海側の一帯だったといわれる。

看板は2019年と2024年に1枚ずつ設置された。町の指定文化財ではなく、観光地でもない。2023年5月にここを歩いた人は「正直言って、何も無いです」と書き、上総一ノ宮駅から往復6キロを歩いて「歩くのに飽きる道のりでした」と振り返っている。地図サービスにも地点は登録されているが、クチコミは1件も付いていない。講座の前後に寄るなら車が要る。なお一宮町教委は防空監視隊の日誌も所蔵しており、その最終記載は1945年8月20日、赤インクで灯火管制の終了が記されているという。

8月9日は日曜。上総一ノ宮駅からのバスは動かない

睦沢町の公共交通で気をつけたいのが、この講座がある8月9日が日曜だという点だ。町の公式サイトはアクセス手段を2つ挙げているが、上総一ノ宮駅から乗る小湊バス大多喜線(大多喜車庫〜一宮駅)は土日祝が全便運休である。地図アプリでは近く見える上総一ノ宮駅ルートが、この日は成立しない。

公共交通で行くなら茂原駅南口から「道の駅つどいの郷むつざわ」行きに乗り、「睦沢中央公民館」で降りる。所要は約30分で、こちらは2020年4月から休日ダイヤが走っている。発車時刻は町のサイトの路線バス時刻表で確かめてほしい。タクシーなら茂原駅から約20分、上総一ノ宮駅から約15分。車の場合は圏央道の茂原長南ICが最寄りになる。

同じ日、歴史民俗資料館も開いている

会場の中央公民館と、主催の町立歴史民俗資料館は同じ住所にある。8月の休館日は3日・10日・17日・24日・31日の月曜だけなので、9日の日曜は開館日だ。入館は無料で、開館は9時から16時30分まで。講座が13時30分からなので、午前のうちに資料館を見てから講座に入るという回り方ができる。

資料館は、千葉県指定文化財の木造不動明王坐像(旧・長勝寺)と木造仏坐像(旧・普門寺)の2件を収蔵している。なお企画展「町指定文化財で見る睦沢の歴史」は7月12日で会期を終えているので、8月に見られるのは常設の展示になる。

足を延ばすなら、茂原の掩体壕

長生郡の周辺には戦争の痕跡がもうひとつ残っている。隣の茂原市にある茂原海軍航空基地の掩体壕だ。戦闘機を空襲から守るための格納施設で、いまも10基が現存する。ただし多くは私有地の中にあって、住宅の車庫や物置として使われている。見学するなら市が管理して説明板が立つ3号掩体壕に限るのが筋だろう。総面積365平方メートル、最高部の高さ6.7メートルという大きさで、真夏の昼間に歩き回るには日陰が少ない場所でもある。

イベント情報
開催期間
2026/8/9 13:30 - 2026/8/9 16:00
住所
千葉県長生郡睦沢町上之郷1654-1
主催者
睦沢町立歴史民俗資料館
料金
広報に記載なし(睦沢町立歴史民俗資料館へ要確認)
状態
開催予定
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