【銚子】旧西廣家住宅の公開2026は8月9日・23日、銚子空襲を越えた慶応年間の漁網倉庫を無料で見学

旧西廣家住宅の主屋。左手に瓦屋根の平屋が建ち、格子戸と障子が並んで玄関の引き戸が開いている。右奥には白漆喰の妻壁を持つ板張りの2階建て。手前の庭にピンクのツツジが咲き、青空が広がっている

Event Overview

銚子市の国登録有形文化財・旧西廣家住宅は毎月第2・第4日曜に公開。2026年8月は9日と23日の10時〜15時で、住宅見学は無料・申込不要です。慶応年間の漁網倉庫、明治10年の主屋、昭和10年の缶詰工場が一敷地に残ります。叶結び体験500円とみなと地区まち歩き500円の内容もまとめました。

  • 2026/8/9 10:00 - 2026/8/23 15:00
  • 旧西廣家住宅
  • 住宅見学は無料(叶結び体験500円/まち歩き500円)
旧西廣家住宅の主屋。左手に瓦屋根の平屋が建ち、格子戸と障子が並んで玄関の引き戸が開いている。右奥には白漆喰の妻壁を持つ板張りの2階建て。手前の庭にピンクのツツジが咲き、青空が広がっている
公開日の旧西廣家住宅。左が明治10年建築の主屋で、玄関が開けられている(出典:銚子ジオパーク公式情報サイト「銚子時間。」)

銚子漁港の近くに、江戸時代の建物が2棟、いまも普通に建っている。国登録有形文化財の旧西廣家住宅は毎月第2・第4日曜だけ中に入れる。2026年8月の公開日は9日(日)と23日(日)。住宅の見学は無料で、申し込みもいらない。

目次

8月の公開は9日と23日。10時から15時、申込不要

時間は10時から15時。文化財ガイドが建物を案内してくれる。あわせて「叶結び」体験(500円)と、みなと地区のまち歩き(500円)が用意されていて、まち歩きは10時30分に旧西廣家住宅を出発し、所要はおよそ1時間だ。

2026年に案内されている公開日は9月27日まで。第2・第4日曜以外は建物の中に入れないので、日程を合わせて行く必要がある。都合により中止になる場合があるとの注記もあるため、遠方から向かうなら事前に電話で確かめておきたい。

開催概要

名称 旧西廣家住宅公開・まち歩き
2026年8月の公開日 8月9日(日)・8月23日(日)
時間 10:00〜15:00(まち歩きは10:30発・約1時間)
会場 旧西廣家住宅(銚子市川口町1丁目6271番地)
料金 住宅見学 無料/叶結び体験 500円/まち歩き 500円(保険料込)
申込 不要。当日直接会場へ
公開日 毎月第2・第4日曜(9月は13日・27日)
主催 銚子資産活用協議会/銚子市教育委員会 社会教育課 文化財・ジオパーク室
問い合わせ 0479-21-6662(平日8:30〜17:15)
黒く焼けた縦板張りの平屋の建物が2棟並んでいる。瓦屋根の庇が深く張り出し、窓はほとんど見えない。手前に石積みの擁壁と石段、その前に砂利の空き地。背景は緑の丘と夏空
慶応年間に建てられたと伝わる漁網倉庫。三方に深い庇を回し、開口部をほとんど設けていない(出典:銚子ジオパーク公式情報サイト「銚子時間。」)

慶応年間の漁網倉庫が、銚子空襲を越えて残った

敷地に建つ4棟1基は2018年3月27日に国の登録有形文化財になった。そのうち北倉・南倉の2棟は、慶応年間(1865〜1868年)の建築と伝わる。元は漁網をしまうための倉庫で、正面と側面の三方に深く庇を出し、開口部をほとんど設けていない閉鎖的な造りをしている。

この建物が今も建っていること自体が、実はかなりの偶然だ。1945年7月19日の銚子空襲では焼失家屋が3,950戸、死者278人を出し、被災地域には川口町も含まれている。市街地の大半が焼けた町で、江戸時代の木造倉庫が残った。銚子で江戸期の建物を見られる場所は、そう多くない。

屋根に葺かれているのは「黒生瓦(くろはえがわら)」。銚子の黒生でとれる黒い粘土から焼かれた瓦で、現在はもう作られていない。棟には「西」の字を陽刻した鬼瓦が載る。地元をよく知る書き手が「銚子で貴重な江戸時代の建物であるにもかかわらず、そうやって静かに佇んでいる姿も、私のお気に入りです」と書いているとおり、観光地の顔をしていないところがこの家の空気だ。

質屋、イワシ漁、鰹節、缶詰。建物の並びが家の歴史になっている

西廣家の初代は江戸時代の末に紀州から銚子へ移り、質屋を営みながら土地を集めて大地主になった。漁業を始めたのは2代目の治郎吉で、玄関に掲げられた屋号「治郎吉」はこの人の名に由来する。持ち船の名は「御嶽丸」。海の家なのに長野の山の名を掲げているのが面白い。

生業はイワシ漁を軸に、鰹節、干鰯(ほしか)、そして昭和初期にはイワシ・サンマ・サバの缶詰加工へと広がった。だから敷地には、慶応の漁網倉庫、明治10年(1877年)の主屋、昭和10年(1935年)に2階建てへ改造された缶詰工場、大正末から昭和初期の煉瓦塀がそろって残る。家の商売の移り変わりが、そのまま建物の並びとして読める。

主屋の昭和12年の増築部には、総檜づくりの付書院に犬吠埼の風景を意匠化した細工が入る。ちなみに銚子でヤマサ醤油を創業した初代・濱口儀兵衛も紀州の広村から渡ってきた人で、この町の産業は紀州からの移住者が作った側面が大きい。西廣家はその流れの、幕末に来た比較的新しい一家にあたる。

願いが叶う「叶結び」の体験は500円

叶結びは、結び目を表から見ると「口」、裏から見ると「十」の形になることから、二つを合わせて「叶」と呼ばれる結び方だ。願いが叶う縁起のいい結びとして、お守りの口を閉じるのに古くから使われてきた。公式チラシの写真では、赤や黄、緑の紐を子どもの手も交じって机の上で結んでいて、家族連れでも参加できる内容だと分かる。

この家では別途、漁網を編む道具「網針(あばり)」の技術を体験するメニューもある。縄と網の町だから、結びが体験になる。

まち歩き500円で、川口神社の亀の墓と千人塚まで

10時30分発のまち歩きは1時間・500円で、保険料込み。歩くのは川口町を中心とした「みなと地区」だ。このあたりは旧地名を飯貝根(いいがいね)といい、元禄10年(1697年)ころには鯨船の網主がいたと記録に残る古い漁師町にあたる。

高台の川口神社は漁業関係者の守り神で、石段の途中に、網にかかって死んだ海亀を葬った「亀の墓」がある。利根川河口の右岸には千人塚。慶長19年(1614年)10月25日、鹿島灘に出ていた漁船が突風に襲われ千人以上が溺死した、その死者を埋葬した場所だ。利根川の河口は日本三大海難所の一つに数えられる。

8月の見学は暑さ対策を。アクセスと駐車場

建物は空調の効いた展示施設ではないし、まち歩きは1時間の屋外歩行で、川口神社は高台の石段を登る。8月に回るなら飲み物と帽子は持っておきたい。トイレや冷房の有無は公式に案内がないので、気になる点は0479-21-6662へ確認しておくと確実だ。

アクセスは、JR銚子駅から千葉交通バスの川口・黒生・ポートセンター方面。銚子電鉄なら本銚子駅から徒歩15分ほど。車は東関東自動車道の佐原香取ICから1時間15分前後で、川口町の五差路から明神町方向に進み、ヤマト運輸の向かいに看板が出る。駐車場は3台という情報もあり台数は多くない可能性があるので、早めに着くほうが確実だ。

見学のあとは、同じ川口町のウオッセ21(8時30分〜17時、年中無休)で海鮮を食べて帰るのが定番だ。すぐそばの第2卸売場では今もマイワシが揚がっていて、西廣家がイワシで身を立てた町の続きが目の前にある。

イベント情報
開催期間
2026/8/9 10:00 - 2026/8/23 15:00
開催場所
旧西廣家住宅
住所
千葉県銚子市川口町1丁目6271番地
主催者
銚子資産活用協議会/銚子市教育委員会 社会教育課 文化財・ジオパーク室
料金
住宅見学は無料(叶結び体験500円/まち歩き500円)
状態
開催予定
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