3月16日に投票が行われる千葉市長選挙では、子育て支援が重要な争点の一つとなっています。
現職と新人2名の候補者は、それぞれ異なる子育て支援策を掲げており、家庭の負担軽減や教育環境の充実などに注力しています。
本記事では、各候補の子育て支援政策を詳しく比較します。
立候補者プロフィール(順不同)
神谷俊一氏(51歳)
- 立場: 無所属・現職(1期目)
- 経歴: 元総務省室長
- 支持・推薦: 自民党県連、立憲民主党県連、公明党県本部、国民民主党県連が推薦、日本維新の会県総支部が支持
- 自己評価: 自身の市政を100点満点で80点と評価
寺尾賢氏(48歳)
- 立場: 無所属・新人
- 経歴: 元千葉県議会議員
- 支持・推薦: 共産党が推薦
- 評価: 神谷市政を100点満点で25点と厳しく評価
杉田勇人氏(40歳)
- 立場: 諸派・新人
- 経歴: 政治団体「つばさの党」組織運動本部長
- 評価: 神谷市政を100点満点で10点と最も厳しく評価
子育て支援に関する主張
神谷俊一氏(現職)の子育て支援策
現職の神谷俊一氏は、待機児童ゼロの継続を前提に、子育て世代の経済的負担を軽減し、仕事と子育ての両立を支援する政策を掲げています。
- 待機児童ゼロの継続
- すでに達成されている待機児童ゼロを今後も維持。
- 保育料の軽減
- 3歳未満児の保育料を年齢や所得制限なしで軽減。
- 病児・病後児保育の拡充
- 市独自の補助金を拡充し、病児・病後児保育の受け入れを拡大。
- 保育士確保と給与改善
- 保育士の給与改善策を実施し、働きやすい環境を整備。
- プレコンセプションケアの推進
- 出産前の健康管理や妊娠準備に関する支援を強化。
神谷氏は、市の財政を活用しながら、経済的負担を抑えつつ、保育環境の充実を図ることに重点を置いています。
寺尾賢氏(新人)の子育て支援策
共産党推薦の新人候補、寺尾賢氏は、子育て支援の強化を掲げ、特に経済的な負担を軽減する無償化政策を推進しています。
- 保育・教育・こども医療の無償化
- すべての子どもが平等に教育・医療を受けられる環境を整備。
- 少人数保育・少人数学級の実施
- 教育の質を向上させるため、少人数体制を推進。
- 保護者負担の軽減
- 保育費や学校給食費の軽減、補助金制度の拡充。
- 市民参加型の子育て支援
- 民間事業者や保護者、市民と協力しながら支援策を実施。
寺尾氏は、自治体の責任として、子育てにかかる費用を軽減し、千葉市を子育てしやすい都市にすることを目指しています。
杉田勇人氏(新人)の子育て支援策
諸派「つばさの党」から立候補している杉田勇人氏は、子育て支援策として特に出産時の給付金増額を強調しています。
- 出産時給付金の増額
- 出産時の経済的負担を軽減し、少子化対策を推進。
- 具体的な教育・保育政策には言及なし
- 他候補と比べ、保育や教育の支援策についての具体的な政策が少ない。
杉田氏は、出産時の経済的支援を強化することを主張していますが、保育や教育環境の改善に関する具体的な政策は明確ではありません。
財政・税負担への影響分析
神谷氏(現職)の政策
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- 税負担増加要素: 下水道料金15%値上げ、宿泊税導入に前向き
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- 財源確保策: 企業誘致による税収増、宿泊税収入
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- 実現可能性: 現職かつ主要政党の支持を得ており高い。財源確保の具体策も示している
寺尾氏の政策
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- 税負担増加要素: 少ない(むしろ公共料金引下げを主張)
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- 財源確保策: 不要不急の大型開発見直しによる財源捻出
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- 実現可能性: 多くの無償化政策を掲げているが、財源確保の具体性にやや課題
杉田氏の政策
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- 税負担増加要素: 少ない(負担増政策に反対の姿勢)
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- 財源確保策: 具体的な言及が少ない
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- 実現可能性: 警察問題追及など特定テーマへの関心が高く、政策実現の具体性にやや課題
最優先政策と市政の方向性
神谷氏
最優先で取り組みたいこと: 補正予算編成(3歳未満児保育料減免、プレコンセプションケア推進等)
市政方針: 対話と現場主義、市民会館とマリンスタジアム再整備、若者支援施策の具体化
寺尾氏
最優先で取り組みたいこと: 市民参加による大型公共事業等の見直し
市政方針: 住民福祉の増進という自治体本来の役割を果たす市政へ転換
杉田氏
最優先で取り組みたいこと: 千葉県警察本部の汚職と不正追及
市政方針: 社会保障と子育て支援の充実、警察改革
直近の投票率と期日前投票所情報
過去の投票率
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- 2021年(前回): 45.03%
2017年(前々回): 29.07%
2013年: 31.35%
2009年: 43.50%
- 2021年(前回): 45.03%
期日前投票
期間: 3月3日~15日 各区の投票所:
中央区: 蘇我コミュニティセンター、そごう千葉店
花見川区: 区役所、花島コミュニティセンター
稲毛区: 区役所、イオン稲毛店
若葉区: 区役所、イコアス千城台
緑区: 区役所、土気市民センター
美浜区: 区役所、高洲コミュニティセンター
まとめ
千葉市長選挙の候補者は、それぞれ異なる視点から子育て支援に取り組もうとしています。
- 神谷氏は、待機児童ゼロの継続や保育料軽減など、現在の制度を強化しながら持続可能な支援を目指す。
- 寺尾氏は、保育や教育の無償化を推進し、市民負担の軽減に重点を置く。
- 杉田氏は、出産時給付金の増額に焦点を当てるが、その他の支援策は不透明。
子育て支援は市民の暮らしに直結する重要なテーマです。どの候補の政策が最も千葉市の未来にふさわしいのか、じっくり考えた上で投票に臨みましょう。